2012-01-01から1年間の記事一覧

オペラティックメタルバンド Diablo Swing Orchestra の新作

Diablo Swing Orchestraスウェーデンのオペラ的なサウンドを大いに取り入れたメタル系バンド Diablo Swing Orchestra の2012年新作 Pandora's Pinata がリリースされたので、聴いてみた。 はじけるもともと、オペラ的な歌唱の女性ボーカルにくわえて、ブラス…

ポップでクラシカルなイタリアンキーボードプログレ Barock Project

Barock Project今回紹介するのは、イタリアのバンド、Barock Project の作品で、Coffee In Neukolln。私は、実は、このバンドは初めて聴いたのだけれども、3枚目のアルバムになるらしい。 メンバーは3人がクレジットされているのだけれども、曲自体は、オー…

噂の Steven Wilson と Mikael Akerfeldt による Storm Corrosion

Storm Corrosion何かと仲良しで、長らく二人でのコラボ作品が作られるという噂の中ついにアルバムとしてリリースされたのが、Porcupine Tree の Steven Wilson と、Opeth の Mikael Akerferdt によるプロジェクトバンド Strom Corrosion のデビューアルバム…

再結成UK第一弾の Live in tokyo DVD

UKさてさて、ここ数年活発な活動をしている Eddie Jobson ですが、UKZやUZP といったプロジェクトを経てついに、John Wetton との再活動へとこぎ着けて、そして、あの UK を再結成したのでした。その再結成第一弾は、Eddie Jobson とJohn Wetton 以外のメン…

カウリスマキ監督より素朴な物語「ル・アーブルの靴磨き」

カウリスマキ監督アキ・カウリスマキ監督は、庶民の中でもより質素に不器用に生きている人々を描く作品を多く撮影している監督。その独特の古くさい画面作りやセット、俳優などによる演出とも相まって、そのほとんどなんにもない中に人間臭さを織り込んでい…

埼玉県立美術館にて草間彌生 永遠の永遠の永遠

草間彌生草間彌生は、現在はすでに80歳を超えているであろう芸術家。若き日には、ウォーホールなどとも交流があった人物。 六本木ヒルズができたての頃に森美術館で開催された展示あたりから、日本の一般層にもポピュラーになった芸術家。 その草間彌生の「…

Jonsi が音楽を手がけた映画 We Bought a Zoo のサントラより

幸せへのキセキさて、日本でも2012年6月8日より公開が始まるマット・デイモン主演の映画、「幸せのキセキ」。この映画のサントラを、なんと、今夏のサマソニへの出演も決まっており、新作もまもなくリリースされる Sigur Ros のフロントマン Jonsi が手がけ…

Anathema の新作は、再びポストプログレな激しさと美しさと儚さと

Anathemaさてさて、すっかりポストプログレッシブロックの代表格となった Anathema。天上界的な美しさと、演奏が絡み合う激しさと、そして、そこに垣間見える儚さによって、とても印象的で感動的なサウンドをうみだすことに成功しているバンド。その2012年新…

Drema Theater 来日公演は横浜アリーナ

横浜アリーナということで、横浜アリーナにDream Theater 来日公演を見に行ってきました。2012年4月30日。 前座前座で超絶系アコギタリスト Andy Mckeeが登場。約30分ほど超絶演奏を繰り広げます。その後10分ほどのインターバルで真打登場。 Mangini今回の一…

イタリアン・プログレッシブロック・フェスティバル2012春の最終日に行ってきた

イタプロフェスさてさて、2011年秋に引き続き、今回は3日間にわたり開催されたイタリアン・プログレッシブロック・フェスティバル。私は、その最終日、2011年3月29日の公演に行ってきました。もちろん、場所はクラブチッタ。 ソルド・アウトこの公演は、早く…

アート・オブ・コネクティング 田中敦子展を東京都現代美術館にて

具体田中敦子は、吉原治良を中心に芦屋で結成された前衛美術集団、具体のメンバーとしても知られる芸術家。特に、いくつもの丸が線で繋げられる画風の絵画や、その絵画の原型ともいえる線でつながれ制御されたオブジェなどの作品で知られる人物。 その田中敦…

久々のYES来日公演は、渋谷公会堂にて

YESプログレッシブロック界の雄で、いわゆる四天王のうちでは、唯一現在もまともに活動している YES。昔からメンバーの入れ替わりが激しいのだけれども、ここ最近は、Chris Swuire, Alan White, Steve Howe がメインとして存在していて、キーボードとボーカ…

Meshuggah の新作 KOLOSS

Meshuggahスウェーデンのテクニカルデスメタルバンド、Meshuggah の2012年新作がリリースされたので、早速聴いてみた。そのタイトルは、日本語読みすると何だが不穏なんだけれども、「KOLOSS」。 テクニカルデスサウンド傾向h今までと大きくは変化無く、テ…

Cynic のデモ音源はアンビエントな美しさも伴って

Cynicプログレメタルの元祖とも言うべきバンド、Cynic。1980年代後半ごろから活動を始め、デスメタルをベースにしたサウンドに、テクニカルな演奏と複雑な曲構成で演出し、プログレッシブでデスメタルな独特のサウンドスタイルを構築した。 しかし、活動その…

靉嘔のレインボーの深みを見た

靉嘔靉嘔は、1960年代以降から活躍する芸術家。現在は80歳くらいだと思うけれども、いまも活動している。 そんな靉嘔は、特にレインボーに彩色された画風がよく知られていて、ふっくらとした外形上をもつ人物がレインボーにグラデーションで描かれている画像…

It Bites の新作も充実の仕上がりです

It Bites80年代の後半というプログレがアングラに潜りっぱなしだった時代に登場したバンドが、It Bites。ただ、従来のプログレのような大仰さとテクニックを前面に出すのではなくて、ポップでもある楽曲にスパイスとしてプログレ的な複雑さを付加するという…

ドイツの現代プログレバンド RPWL の新作も地味にかっこいい

RPWLドイツのバンドで、Pink Floyd のカバーバンドとしてスタートした主に2000年以降に活発な活動をしている RPWL の2012年新作 "Beyond Man and Time" がリリースされていたので、聴いてみた。 現代プログレサウンドは、元々からのなのだけれども、現代プロ…

Mars Volta の新作は万華鏡度があがっています

Mars Voltaさてさて、ハイテンションミクスチャーなサウンドを展開するバンド Mars Volta。その2012年新作 Noctourniquet がリリースされたので聴いてみた。 異国感がましてMars Volta というと、ちょっとサルサ的というのか中南米な雰囲気に満ちたハイテン…

Portnoy 渾身のサイドプロジェクト Flying Colors デビュー

Flying Colors衝撃の Dream Theater 脱退以降、いくつものプロジェクトの立ち上げがありながら、なかなか最終的な作品が現れなかった、Mike Portnoy ですが、そのサイドプロジェクトの一つ、Flying Colors のデビューアルバムがついにリリースされたので、聴…

OSIの新作 Fire Make Thunder 味深くエレクトロで激しく

OSIJim Matheos と Kevin Moore というプログレメタル畑の二人によるプロジェクトバンド、OSI。当初は、Mike Portnoy もドラムで参加していた。 意外と、着実にアルバムをリリースし続けており、その2012年新作 Fire Make Thunder がリリースされたので早速…

トマス・ピンチョンのV.を読み終えたのだが

V.着々と刊行が遅れ気味のトマス・ピンチョン全集ですが、私の読み進める方も着々と遅れており、ようやく、「V.」を読み終えました。 この作品は、トマス・ピンチョンのデビュー作に当たる作品で、今回の翻訳では薄めの上下巻にわたる作品。 謎のトマス・ピ…

「梅棹忠夫の「人類の未来」」を読んだ

梅棹忠夫2010年に亡くなった、民族学者梅棹忠夫。学者でありんがらも、卓越した現実分析能力により、オピニオンリーダー的な存在でもあった人物。年代的も、日本の高度経済成長とそのバブルの崩壊の時代に脂ののった人生を歩んだこともあり、また、文化人類…

ENID によるオーケストラとの共演ライブ

The ENIDThe Enid は1970年代中後期ころから活動しているシンフォニックプログレバンド。プログレを取り巻く環境の影響もあって、早くから今で言うインディーズ的な活動を行い、ファンベースの支援組織までももつバンド活動を行っていた。1990年代以降から20…

フォン・トリアー監督による狂気的なメランコリアを見た

フォン・トリアーフォン・トリアー監督は、ここ最近では、少し前に公開された「アンチクライスト」において、精神と肉体の極致を描くなど、美しき狂気を感じさせる作品を残す監督。自身も、うつ病を患っていたり、また、カンヌにてヒトラー関連で問題発言し…

アメリカ前衛アートの巨人 ジャクソン・ポロック

ジャクソン・ポロックジャクソン・ポロックといえば、絵の具を垂れ流すように描くドリッピングという技法による抽象絵画で有名な人物。 その絵画は非常に有名なのだけれども、意外とその作品を一堂に会して見る機会はあまりなかった。 そんな、ジャクソン・…

アルゼンチンより、Cucamonga はコミカルジャズロック

Cucamonga今回紹介する作品は、アルゼンチンの Cucamonga というバンドの Alter Huevo という作品。なお、このアルバムは、近頃かなりアグレッシブに YUGEN や、Calomito などのジャズロック、チェンバーロック系の、プログレッシブロックの中でもさらに先鋭…

こりゃ、かっこいいレコメン、Thinking Plague

Thinking Plagueアメリカのバンド Thinking Plague の2012年新作 Decline And Fall を聴いてみた。 このバンド、私はこの作品で初めて知ったのですが、結構前から活動しているようで、1980年代には活動を開始していたようです。しかし、バンドメンバーもあま…

あの、甘美系プログレの先駆者 Moon Safari のライブ版

Moon Safariそのあまりにも、美しいメロディーやコーラスワークを、凝ったリズムラインの上で奏でるという新境地を切り開いたバンド、Moon Safari。新たに、2枚組のライブ版をリリースしたので、早速聴いてみた。アルバムタイトルは、 The Gettysburg Addres…

ライブでももちろんテクニカルで破壊的なノルウェーの SHINING

Shining今回紹介するのは、ノルウェーのほうの Shining。そのあまりにもの破壊的な演奏の一方で変拍子やリズムチェンズを含む複雑な楽曲を展開するスタイルは、様々なジャンルの概念を乗り越えて、破壊的すぎるジャズロックという新たな境地を切り開いてる(…

Solaris のメンバーによる Tompox は、火星年代記的です

Tompoxハンガリーの最早伝説的になってしまったバンド、Solaris。復活しそうで、なかなかしない状態が続いているなって思っていたら、そのメンバーの一人、Tamas Pocs によって、TomPox というバンドが結成されて、ニューアルバムをリリース、タイトルは、 H…