埼玉県立美術館にて草間彌生 永遠の永遠の永遠



草間彌生

草間彌生は、現在はすでに80歳を超えているであろう芸術家。若き日には、ウォーホールなどとも交流があった人物。
六本木ヒルズができたての頃に森美術館で開催された展示あたりから、日本の一般層にもポピュラーになった芸術家。
その草間彌生の「永遠の永遠の永遠」と題された展示が、各地を巡回中で、現在埼玉県立美術館にて開催中なので、行ってみた。ちなみに、すでに大阪は終了していて埼玉では5月20日まで、その後、松本市立美術館と新潟市美術館への巡回が予定されている。


近年の

今回のこの展示は、2000年以降の近年の作品を中心に集めた展示。彼女のトレードマークといえる水玉模様のオブジェやカボチャのオブジェなども展示されている。


永遠

タイトルに、永遠が三回も入っているが、永遠は、そもそも、彼女の特徴でもある。初期の頃から扱っている水玉模様や網目模様にはどこまでも反復していく永遠が刻み込まれている。一方で、永遠には、無へと近接しても行く。没個性化による均質化としての。ある意味では生と死といえるのか。しかし、その永遠を言葉上でも繰り返すことで、生命力を表現しているようでもある。


生命力

この展示を見ると、まさに、その生命力を強く感じる。目や顔、そして、とげや水玉、網目。それらが、様々な構成と色合いで形作られた絵画が冒頭並んでいる。無数の目や顔は、監視という脅迫感なのだろうか。それとも、そこに無数にいる人間をただ表しているのだろうか。どこまでもつながり、どこにでもある目と顔。
また、その目と顔と共に並べられる無数の形態は、どこか、単細胞生物というのか細胞というのかそういったものにも感じられてくる。そして、その絵画に細胞レベルでの生命力が感じられてくるのである。打ち消そうと打ち消そうとしても現れる形態。それは、脅迫的なものではなくて、むしろ生命力そのものであり、まさ、永遠なのかもしれない。


自画像

展示の中で、もう一つインパクトを持つのが、新作である肖像が三点。大きな画面一杯に描かれた顔面。彼女がよく用いる水玉や網目、などで構成された顔。最早、言語での表現が不可能な圧倒的な存在感と迫力をもって迫ってくる画面は、もはや凄いというしかない。


チューリップ

最後は、白くペイントされた部屋の中に置かれた白いチューリップ。そこに赤い水玉が床壁天井も含めて描かれている。遠近感を失ってしまうような独特の空間。チューリップそのものの形態さいえお失われているようにも感じる。永遠の水玉が消失を演出し、しかし、消失を消失させる演出もしている。


アプリ

そんな感じで、やはり彼女の作品は、普通に感じ取りやすく、多くの人が様々な面白さを感じ取ることが出来るのだろう。実際、ゴールデンウィークということもあってか家族づれも多い来客であった。
また、この展示の図録は、iPhone アプリとしても販売されているので、展示を見に行くことが出来なそうな場合は、アプリを購入してみるという野もいいかもしれない。


関連リンク:
Yayoi Kusama Official Site
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埼玉県立近代美術館ホームページ
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