2012-01-01から1年間の記事一覧

クロード・シモンの大作「農耕詩」を読んだ

クロード・シモンヌーヴォー・ロマンを代表する作家の一人で、ノーベル文学賞作家でもあるクロード・シモン。その代表作である「農耕詩」を、結構な時間を掛けてようやく読み終わった。 彼、彼、彼3人の彼が登場する物語。第一部で、その全体像が示唆される…

Marillion の新作は、そして、また、名作

Marillion英国の誇るロックバンド Marillion。知る人ぞ知るというか、今や知る人しか知らないという状況かもしれないが、しかし、ファンは根強く、そして、彼らの存在もまた力強く、活動を続けているバンドでもある。その新作 "Sound That Cat't Be Made" が…

「カルロス」の第三部を見てきました、完結

カルロス現在シアターイメージフォーラムにて公開されているテロリスト「カルロス」の姿を描いた作品が3部作5時間半という超大作で上映中。 で、さすがにぶっ続けで見るのはしんどいので、前回は、第一部と第二部だけ見て、今回は、その続きで、第三部をみて…

実在のテロリストを描いた超大作「カルロス」の第一部と第二部を見た

カルロスオリヴィエ・アサイヤス監督による対策映画「カルロス」は、3部作で全部で5時間半におよぶ対策。その3部にわたって、現在服役中のテロリスト「カルロス」を描きあげている。 カルロスとは私も、この映画のことを知るまではカルロスという人物のこと…

私たちの道

そこには、異なる。今を。渇望する。充足している。していた。しているはずなのに。そうではない。なにも間違ってはいない。だから、言い訳を探す。言い訳を探す。小石の裏側に、小枝の陰に、壁の根元に。もう少し、掃除でもしようか。よく見れば、そのあた…

私たちの道

そこには、異なる。今を。渇望する。充足している。していた。しているはずなのに。そうではない。なにも間違ってはいない。だから、言い訳を探す。言い訳を探す。小石の裏側に、小枝の陰に、壁の根元に。もう少し、掃除でもしようか。よく見れば、そのあた…

伝説のバンド Anglagard 復活CDがやってきた

AnglagardAnglagard は、スウェーデンのプログレバンド。メロトロンの響く暗鬱な世界の独特な美意識が、多くのプログレファンの心をとらえ、北欧プログレの代名詞的なサウンドとしてフォロワーを数多く生む存在でもあった。 しかし、2枚のスタディオアルバム…

平穏な狂気「籠の中の乙女」

籠の中の乙女ヨルゴス・ランティモス監督というギリシャの監督による「籠の中の乙女」と題された映画を見てきました。シアターイメージフォーラムにて。 狂気はっきり言って、狂ってます。外界から隔離された家の中に暮らす一家。不思議な育てられ方をする子…

Broness の新作は、黄色と緑

Baroness男臭すぎるツインボーカルの妙なコーラスワークが結構はまる、ある意味、Mastodonと双璧をなす野獣系テクニカルメタルバンド Baroness の2012年新作がリリースされた。 過去二枚が Red Album , Blue Record と赤青と続いたのですが、今回は、まとめ…

唯一無二のロックバンド Magma から Felicite Thosz

MAGMAさて、フランスの誇る唯一無二のジャズロックバンド MAGMA。もはや、ほかのだれにもまねのすることのできない、ジャンル分け不能な独自の世界を築き上げてさらに深みへと進んでいるバンド MAGMA。その新作、Felicite Thosz がリリースされていたので、…

District97 の新作が出ていました

District97アメリカから最近出てきたポップなプログレを展開するバンド District97。その2枚目のアルバム Trouble With Machines がリリースされたので、聴いてみた。 このバンド、女性ボーカルを中心に据えていて、独特の屈折しながらもポップなサウンドを…

気狂いピエロの決闘はあまりにも刺激的です

三大映画祭週間いくつかの地域の映画館では、三大映画祭週間と題して、カンヌ、ベルリン、ヴェネツィアのそれぞれの映画祭の受賞作品を上映している。 関東では、渋谷のヒューマントラストシネマが会場となっていて、いくつかある上映作品の中から特に気にな…

シュールレアリストとして知られる Max Ernst の展示を見た

愛知県美術館たまたま、愛知に来る予定があって、そんなわけで、ついでなので、愛知県美術館にて開催されている 「マックス・エルンスト―フィギュアxスケープ」と題された展示を見てきた。 Max Ernstマックス・エルンスト は、シュールレアリスムの画家とし…

Alamaailman Vasarat の新作 VALTA

Alamaailman Vasaratさてさて、無国籍音楽集団 Alamaailman Vasarat のその新作 Valta がリリースされたので、さっそく聴いてみた。 いつもどおりのブラス系が二人いて、チェロ奏者が二人いて、ドラマーキーボーディストといつも通りの変則メンバーでの作品…

イタリアンロックの巨人 Banco の40周年記念盤

バンコプログレの延長線上に登場したイタリアンロックは、多くの英米ロックにはない美意識をもつバンドを多く輩出した。最近は、当時のバンドが再結成して多くの来日を果たしている。 そんなイタリアンロックバンドの中でも代表格の一つがBanco Del Muttuo S…

ミラーレス一眼が意外と楽しい

ミラーレスカメラの世界もいろいろと変化を遂げていて、しばらくデジカメを使わない生活をしているうちに、カメラの世界にはミラーレス一眼の世界が広がっていたようで、そこそこ気になってはいたものの、iPhone でカメラは十分みたいな気分もあって、そこま…

Gatto Marte の新作は美しき Chamber Rock

Gatto MarteGatto Marte はイタリアのバンドで、Chamber Rock なサウンドを展開している。また、アルバムジャケットは、毎回猫をあしらったかわいげなものというのも一つの特徴。 8枚目活動も結構安定指定、今回紹介する "Marte Sulla Luna" で8枚目のアルバ…

小さくて小気味いいオーディオシステムを考えてみた

極小近頃は、ダウンロードで音楽買って、モバイルプレイヤーでイヤホンで音楽を聴くという、超極小スタイルの音楽鑑賞がむしろ主流で、例えば、我が家のように、お金も場所もとりすぎるようなオーディオシステムを組むなんてありえないと考える人のほうが多…

The Enid の再録シリーズ第三弾 Shining も素敵

The Enid英国の隠されたシンフォニックプログレバンド The Enid。一時期の活動休止状態を経て、現在は比較的活動的になっている彼らですが、Srise & Shine と題された、過去の彼らのカタログの楽曲を再録音するというシリーズも展開していて、このたび、その…

Krimsonesque なジャズメタルバンド SH.TG.N

SH.TG.Nちょっと、正体不明のバンドで、そのバンド名の読み方すらもはっきりとはしない、SH.TG.N というバンドのアルバムを入手してみた(ショットガンと読むのが正しいっぽい)。 そして、さっそく聞いてみているわけです。 ジャズメタル?彼らのサイトには、…

六本木森美術館にて「アラブ・エクスプレス展」を見た

アラブ・エクスプレス展さてさて、六本木森美術館です。現在開催中の展示は、アラブの現代美術を集めた展示で、「アラブ・エクスプレス展」と題されたそれ。現代美術を地域性でまとめるような展示は、一つの王道で、しばしば印象深い展示になることが多い。 …

Devin Twonsend Project の4部作ライブDVD

DTPアンビエントからヘヴィーサウンドまで留まることの知らない才能を様々なサウンドスタイルの中に表現し続ける奇人 Devin Townsend。 それぞれのアルバムで異なるサウンドスタイルで表現した Devin Townsend Project 四部作で彼の面白さがさらに花開いたと…

帰ってきた Flower Kings はやっぱり、Flower Kings です

Flower Kings現代のプログレを牽引したバンドの一つと言ってもいいだろう Flower Kings は、スウェーデンのバンドで、Roine Stolt を中心とするファンタジックなシンフォ系現代プログレを展開。 Roine の突き抜けるようなギターに導かれるユートピア思想を具…

ノルウェーの美しさ Circus Maximus の新作登場

Circus Maximusノルウェー出身のプログレ系メタラー Circus Maximus。どちらかという口コミでじわじわと話題になって、デビュー作から2作目へと評価が高まっていったバンド。そんな彼らの3枚目のアルバム「Nine」がリリースされた。 パワフルその新作の印象…

Sigur Ros の新作もまた感情に響いてきます

Sigur Rosアイスランドのポストロックバンド Sigur Ros。このところ、フロントマンの Jonsi のソロ活動が目立っていたので、バンドとしてはあまり活動をしていない状態なのかと思いきや、2012年新作「Valtari」がリリースされました。ということで、早速聴い…

Rush の新作を聴いてみております

Rush言わずとしれた超ベテランバンドRush。トリオ構成ながらも、卓越したテクニックで、3人だけで作り上げているとは思えないほどの複雑な楽曲を作り上げるベテランロッカー。 その2012年新作、"Clockwork Angels" がリリースされたので聴いてみた。 安定と…

Farmers Market の新作も自由奔放で馬鹿テクです

Farmers Market昨年来日公演も行った、ノルウェーの馬鹿テクバンド Farmers Market。その2012年新作「Slav to the Rythm」がリリースされたので、聴いてみた。 ジャズでトラッドで変態でコミカルで昨年の来日公演でも、そのすばらしき演奏テクニックと、そし…

アルモドバル監督による「私が、生きる肌」を見た

アルモドバル監督「Talk to her」 などで知られる巨匠、アルモドバル監督。その最新作「私が、生きる肌」が公開されているので、早速見に行ってみた。 アルモドバル監督の作品はというと、様々な境遇の中にありながらも、自身の価値観を大切にして力強く感動…

メルラーナ街の混沌たる殺人事件を読んだ

ガッダついこの間、再刊となった、カルロ・エミーリオ ガッダによる作品、「メルラーナ街の混沌たる殺人事件」を読んでみた。カルロ・エミーリオ ガッダは、イタリアの文学者で、前衛的な作家として知られる。日本で刊行されている作品は、少ない。故に、日…

カフカ博物館に行ってきた

プラハさてさて、今回は少し番外編。ちょっとチェコはプラハへ旅立つ用事があったので、ついでにプラハにあるカフカ博物館に行ってきました。 場所は、観光名所として知られるカレル橋のすぐ近くの川辺でプラハ城がある側。比較的小さな建物だけれども、腰部…