実在のテロリストを描いた超大作「カルロス」の第一部と第二部を見た



カルロス

オリヴィエ・アサイヤス監督による対策映画「カルロス」は、3部作で全部で5時間半におよぶ対策。その3部にわたって、現在服役中のテロリスト「カルロス」を描きあげている。


カルロスとは

私も、この映画のことを知るまではカルロスという人物のことは知らなかったのだけれども、1970年代ごろからテロリストとしての活動が活発化し、各国の赤軍にかかわる事件や、パレスチナ解放にかかわる事件などを起こしている人物らしい。


裏歴史

まだ、最後の第三部を見ていいないので、どんな展開になっているのかわからないけれども、しかし、これを見ていて感じるのは、歴史には表立っては出てこない裏歴史が当然のようにあるという事実。
一般的には、ある組織に属するテロリストが存在するという印象だけれども、そう単純ではなくて、武装組織があって、それぞれの組織が国や組織から援助を受けて活動しているというような、そんな様子がこの映画では描かれてもいる。


内幕

なので、例えば、テロリスト集団の内幕でのやりとりの様子が描かれていたり、人質解放のための交渉の様子が描かれていたりと、非常に興味深い状況が多く描かれていて、緊張感が漂う演出となっている。


狂信的

第一部の冒頭に描かれる日本赤軍がそうであったように、テロリストたちの思想には、狂信的なところがあって、そこが存分に描かれている。そのなかにおいて、ここに描かれているカルロスは少し異なり、冷静な指揮官の一面も持っていて、狂信的に暴走することはなく、仕事人としての側面を感じさせる。


思想

だが、そうであるが故ということなのか、徐々に思想からは離れていき、武装闘争そのものが仕事となっていっているようにも感じられる。さまざまな状況によってなのか、反帝国主義革命の大義は徐々に目標地点を失い、一方で、一般社会に身を置く場所がないがゆえに、反社会勢力とつながり続けようとする。そこにしか、居場所がないかのように。


アラブ社会

彼が支援の場をもとめるところには、当然のことながら、紛争がある。パレスチナにはじめり、シリア、リビア、今は亡き国家南イエメンなど。
ちょうど、昨今の政治的混乱が巻き起こっている地域がこの映画ではよく登場するというところは、その時代から20年から30年を経て、ようやく変化の兆しにまでたどり着いたということか。


3部作

というところで、三部作なので、結構気合い入れないと全部見切るのは大変。わたくしも、第一部と第二部で力尽きたので、また、第三部を見に行かないといけない。
全体的には、迫力満点というよりも、じっとりとした緊張感にゆっくりと進むという感じの映画。半日時間が空くのであれば、一日がかりで見切ることも可能です。

関連リンク:
映画『カルロス』オフィシャルサイト
カルロス (テロリスト) - Wikipedia
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