「カルロス」の第三部を見てきました、完結



カルロス

現在シアターイメージフォーラムにて公開されているテロリスト「カルロス」の姿を描いた作品が3部作5時間半という超大作で上映中。
で、さすがにぶっ続けで見るのはしんどいので、前回は、第一部と第二部だけ見て、今回は、その続きで、第三部をみてきました。


逃亡

第一部第二部は、彼が巻き起こした数々の事件の表と裏が描かれていたという感じだけれども、最後となる第三部はその後、徐々に居場所を失い逮捕されるまでを描いている。


平和へ

吹き荒れた帝国主義共産党革命、社会主義革命は、徐々に下火となり、東西冷戦の終結と共に、ウラ社会で生きるテロリストカルロスはその居場所を失い始める。一方で、台頭しつつある中東の独裁者とのつながりを強め、そこに自らの居場所を見いだそうとするカルロス。
理念とは裏腹に、平和になるほど居場所を失い、そして、正義は何処かに消えて、金銭と居場所を求めることしか出来なくなっていく。


やがて

そして、ついに、彼を庇護し、ある意味利用していたシリアから見放され、今や無きカダフィーにも見放される。最早、国際的に指名手配されている上に、西洋諸国からマークされている彼をかくまうことの意義がなくなり、彼自身の存在価値そのものが失われてしまったようでもある。


スーダン

そして、最後は、スーダンに逃れ、そこで、病に苦しみ、酒に飲まれ、ついにフランスに逮捕される。


映画の演出として敢えてというところもあるのだろうが、彼も、娘が出来て、少しばかりの平和な景気がそこに現れる。しかし、それは続くことはなかった。


変遷

時代は常に変化を続けていき、ある日重要だったものは、その次にはむしろ厄介者になる。自分の居場所をウラ側に持ってしまうと、その転換の瞬間に居場所を失ってしまうという現実。
これは、とても重要な示唆も含んでいる。我々は、その時代に対して、本当になすべき事をなしているだろうか?そして、その時代はどこに向かって、どこでどう変化していくのか、そして、それをしっかりと受け止め、それに対応できるだけのなすべきことを、今日、なしているだろうか?


満喫

たっぷりな5時間半をかなり満喫させていただきました。
上映期間はそれほど長くはないので、是非とも多くの方にお見逃し無きよう見ていただきたいと感じる次第であります。


音楽

ちなみに、この映画。音楽もかなりの聴き所。ロックから、東欧サウンド、中東サウンドと、多種多様なすばらしい音楽が使われております。是非ともサントラを買いたいと思ったのですが、探しても見つからないので、出されていないってことですかね?


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