アルゼンチンより、Cucamonga はコミカルジャズロック



Cucamonga

今回紹介する作品は、アルゼンチンの Cucamonga というバンドの Alter Huevo という作品。なお、このアルバムは、近頃かなりアグレッシブに YUGEN や、Calomito などのジャズロックチェンバーロック系の、プログレッシブロックの中でもさらに先鋭なサウンド傾向を持つバンドを排出している AltrOck からのリリース。なので、期待が膨らまずにはいられない。


コミカル・ジャズ

ベーシックなサウンドは、ジャズ。ブラス系の音を効かせて、決めるところをしっかりと決めながら、空間にある余韻を大事にするような音の並べ方をする。これだけの要素なら、普通のジャズバンドになるのだろう。しかし、AltrOck なバンドがそれだけなわけはない。このバンドの特徴は、そういった、ジャズなアプローチの合間にコミカルな要素を挟み込んでくるところ。


サムラ的

そのコミカルさは、どこか、Samla Mammas Manna 的。まぁ、Samla が作り上げた境地まで、音を破壊してはいなくて、しっかりと構築した部分は残しつつのコミカルな要素の追加。イメージ的には、モノクロコメディー映画に使われそうなサウンドと感じる要素もある。


とりどり

ただ、何故かこのバンドの音のイメージが、聴く毎に少しずつ変化する。シリアスなジャズのイメージを強く感じる時もあれば、先述のコミカルさを強く感じるときもある。また、チェンバーロックな雰囲気を感じることさえある。
全体的に、多くの要素をミクスチャーして、融合しているので、どのあたりの音に注意がいくかによって、その印象も変化しているのだろう。
その意味でも、色とりどりなこのサウンドは、なかなか印象的。


おしゃれすぎ

まぁ、欲を言えば、ちょっとおしゃれすぎというか、ちょっとかっちりしすぎというか。個人的な意見だけれども、ジャズって、あまりにもかっこよすぎると感じるところがあって、ジャズロックになると、それが、崩れていくところに良さを感じている。なので、ベースのかっちりとした部分はしっかりと残しつつも、それが残像くらいにしか感じないほどに破壊された装飾を前面に出した、サウンドにまで至ると、かなり私の好みの音になるのだが。先に言及した Samla Mammas Manna なんかは、まさにそんな感じ。
今後さらに、音が破壊されて、そんな境地にまでたどり着いて欲しいなと思わせるポテンシャルをも秘めたすばらしいバンドだと思います。


変形サウンド

とにかく近年の AltrOck からリリースされている変形サウンドが好みの方は、この Cucamonga もきっちお気に召すかと思います。

関連リンク:
Altrock Productions
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