Anathema の新作は、再びポストプログレな激しさと美しさと儚さと



Anathema

さてさて、すっかりポストプログレッシブロックの代表格となった Anathema。天上界的な美しさと、演奏が絡み合う激しさと、そして、そこに垣間見える儚さによって、とても印象的で感動的なサウンドをうみだすことに成功しているバンド。その2012年新作、「Weather Systems」を聴いてみた。


天と地と

今回の作品は、ジャケットのアートワークも、地面とそこから生える木が球面レンズによってまるで地球であるかのように表現されて、それをどこまでも続くかのような空が包むという、印象的なそれ。毎回、ジャケットからして美しすぎる Anathema であるけれども、このジャケットだけでも、期待が膨らむ。


内容

そして、曲が始まる。全体としては、大きな驚きはなく、前作までに築き上げてきたポストロック的な要素とプログレ的な要素の掛け合わせの世界をより深めてきているという印象。
ギターのつま弾きや、キーボードオーケストレーション、さらに、コーラスワークなどを巧みに使って、徐々に盛り上げながら、迫り来るかのようなサウンド構築に成功している。この徐々に迫り来る感じが、聴き手の感情の深いところ揺さぶり、なんともいえな高揚感のようなものを感じさせてくれる。


儚さ

そして、そこには、何故かどこか儚さのようなものも感じる。懐かしさのようでもあり、なにか、夢破れたかのような雰囲気でもあり。しかし、それはただ振り返り、嘆いているようではなく、その現実をしっかり踏まえた上で、しかし、それでも進んでいくのだという、むしろ、力強さを与えてくれるようなそんな印象さえもする。


重さと

それは、時に、重く激しいサウンド使いを挟むことによって、より印象深さを深めることに成功しているように思う。エレクトロニカ的でミニマルなループを利用しながら、しかし、それが少しずつ爆発していく。この機械的な感覚と生々しい感覚とが同居しているのが、このバンドの面白いところ。
それが、重さと軽さを同時に感じさせてもくれる。


すばらしい

とにかく、すばらしいです。今までの作品の延長線上に過ぎないと言えば、そうかもしれないですが、しかし、そもそもの作品のクオリティーが高いのでそんなことは全く気にならない。
女性ボーカルと男性ボーカルのからみも非常に効果的に働いている。
まさしく、ポストプログレッシブなすばらしいアルバムだと思います。


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Weather Systems
発売元 : The End Records
発売日 : 2012-05-07 (1CD)
売上ランク : 5616 位 (AMAZON.co.jp)
¥ 1,482 近日発売 予約可
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