映画

いまさらだけど「ホモサピエンスの涙」を観ました

ロイ・アンダーソン 「散布する惑星」などで、一部のファンからは話題をさらったロイ・アンダーソン監督。 その後、「愛おしき隣人」「さよなら、人類」と同じテイストの作品をリリースしていたが、 現時点では最新作となる「ホモサピエンスの涙」が2019…

ロイ・アンダーソン監督三部作完結編「さよなら、人類」

ロイ・アンダーソン監督あれは、何年前だったろうか、突如として現れた不条理な断片の集積により描き出さ絵れた面白くて切なくて風刺にとんだ傑作映画「散歩する惑星」が登場したのは。2000年のことなので、15年の月日がすでに過ぎてしまったが、私の中で5本…

哲学的コメディー Lucy

ルーシーリュック・ベッソン監督のルーシーを見てみたのです。 これがなかなか曲者映画である側面では人類のというのか生物の脳の可能性に言及しながらさらに存在を時間との関係性で定義したりなどかなり大仰で哲学的な議論をしている。しかし、一方で冒頭の…

被り物を脱がない天才「フランク」を見た

フランクフランクは、張りぼての被り物を被った天才ミュージシャンと彼と行動を共にすることになった凡人ミュージシャンを題材とした映画。 ちなみに、このフランクには題材としてフランク・サイドボトムという実在の人物がいる。しかし、その実在の人物の実…

ジム・ジャームッシュの吸血鬼 オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ

オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ劇場公開当時には見ることが出来なかったので、iTunes でレンタルで見てみました、ジム・ジャームッシュ監督のオンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ。 世界の中の世界題材は吸血鬼。長く生きながらえてきている。…

アレハンドロ・ホドロフスキーのリアリティーのダンス

ホドロフスキー鬼才というしかない人物、アレハンドロ・ホドロフスキー。その実に23年ぶりだという新作映画、「リアリティーのダンス」を見てきた。 さすがに鬼才というだけあってなのか、ほぼ満席状態でしたが、そんな観客をもきっと引かせたに違いない独特…

楽しくて、美しくて、少し切ない「グランド・ブダペスト・ホテル」

ウェス・アンダーソン監督独特なコミカルさと美しい映像がいつも楽しめるウェス・アンダーソン監督の最新作、「グランド・ブダペスト・ホテル」を見てきました。 ある作家がある人からある少女が読んだ作品の作家の銅像から映画が始める。そこから、時代が階…

スティーヴ・マックイーン監督による衝撃的映画ハンガーを見た

スティーヴ・マックイーン監督名前が名優と同じなので、勘違いしがちですが、近年話題の映画監督スティーヴ・マックイーン監督。最近では、黒人奴隷に関する映画「それでも夜は明ける」が話題ですが、そのデビュー作「ハンガー」も当時は話題となった映画。…

真実の物語「フルートベール駅で」を見た

フルートベール駅で大晦日の夜フルートベール駅において、けんかをきっかけにした騒動の結果、一人の黒人青年が警官に射殺された。要因に対して重すぎる結論に対して、当時アメリカでは大きな話題になったという。 この事件をとりあげた映画がこの「フルート…

ミカ・カウリスマキ監督による「旅人は夢を奏でる」

旅人は夢を奏でるイメージフォーラムにて上映されているミカ・カウリスマキ監督による「旅人は夢を奏でる」という映画を見てきた。 ちなみに、ミカ・カウリスマキ監督は、不器用で純朴な人々を描くアキ・カウリスマキ監督の兄にあたる。 父子この映画は、主…

2013年を自分のブログから振り返る 映画編

映画編 2013年を振り返るは、続きまして、映画編。 2013年は、さらにミニシアターの閉鎖が続いて、それに伴ってか、既存の映画館でももはや見たいと思うような映画が上映されなくなってしまっております。そんな中、気を吐いているのは、イメージフォーラム…

文学的映画「危険なプロット」を見た

危険なプロット危険なプロットは、フランソワ・オゾン監督による映画。 主人公は、ある文学の教師とその教師が担任をしているクラスの生徒。 教師は、文学教育の一環として作文を生徒に宿題として出している。ほとんどの生徒が取るに足りない文章を書くのに…

薬をめぐるスリルとサスペンス「サイドエフェクト」

サイドエフェクト薬の副作用のことを示す英語、サイドエフェクト。その言葉がタイトルと成っている映画、「サイドエフェクト」を見てきた。この映画は、スティーブン・ソダーバーグ監督による作品。 サスペンス薬をめぐって、様々な陰謀が渦巻く。ストーリー…

ウォルター・サレス監督による新たなロードムーヴィーの傑作

ウォルター・サレス監督ウォルター・サレス監督による映画、「オン・ザ・ロード」を見に行った。 この、ウォルター・サレス監督は、過去も数々の名作ロードムーヴィーを取っている監督。「セントラルステーション」は、家族を描いた感動作であったし、「モー…

見事な6重奏「クラウドアトラス」をようやく見た

クラウドアトラスクラウドアトラスは、マトリックスで知られる ウォシャウスキー姉弟が監督した映画であり、主演はトム・ハンクス。 結構豪華な布陣であることもあり、また、予算も結構かかっていることから、ヒットしても良さそうだったけれども、実際には…

「地球、最後の男」を iTunes で借りて見た

地球、最後の男確か、ヒューマントラストシネマで少しだけ上映していて、そのときに見に行こうと思ってたんだけど、結局タイミングが合わなくて見ることが出来なかった映画「地球、最後の男」が、よくよく見てみたら、iTunes でレンタル可能になっていたので…

資本主義を描いた?「コズモポリス」を見た

デヴィッド・クローネンバーグデヴィッド・クローネンバーグ監督による映画、「コズモポリス」を見た。なお、この作品は、アメリカの作家「ドン・デリーロ」による小説が原作である。 転落この映画をおおざっぱに言うと、金融で大金を得た若者が、投資の失敗…

さまよえる魂の依存関係 ザ・マスター

ポール・トーマス・アンダーソンザア・ウィル・ビー・ブラッドなどで知られる映画監督、ポール・トーマス・アンダーソン監督による映画、ザ・マスターを見てきた。 主演は、ホアキン・フェニックス。 一人の男第二次世界大戦末期、戦地へ送られようとする一…

ミランダ・ジュライによる映画ザ・フューチャーを見た

ミランダ・ジュライ現在渋谷のイメージフォーラムにて上映されているミランダ・ジュライ監督・脚本・主演の映画「ザ・フューチャー」を見た。ミランダ・ジュライは、パフォーマーや作家などの活動も持つマルチなアーティストで、以前横浜トリエンナーレにテ…

アフガン前線の現実を描く映画「アルマジロ」

アルマジロ現在新宿の K's Cinema で上映されているドキュメンタリー映画「アルマジロ」を見てきた。 この映画は、アフガンの前線基地「アルマジロ」へ派兵された若いデンマークの軍人の出征から帰還までを描いたドキュメンタリー作品。 真実それは正に戦地…

2012年を自分のブログから振り返る-映画編

2012年気づけば、もう年末。ということで、毎年恒例にしている1年間を自分のブログから振り返るシリーズの始まりです。 今年は、映画から振り返ります。 映画今年見た映画は、ミニシアター系では12本ということで、なんだか、徐々に見る映画が減ってきていま…

永遠の名作映画「白夜」を見た

白夜ロベール・ブレッソン監督による名作映画「白夜」。1971年公開のこの作品が、ユーロスペースにて、再上映されていたので見に行った。 ドストエフスキーこの白夜は、原作がドストエフスキー。ドストエフスキーというと、いろいろなイメージを抱くと思いま…

「カルロス」の第三部を見てきました、完結

カルロス現在シアターイメージフォーラムにて公開されているテロリスト「カルロス」の姿を描いた作品が3部作5時間半という超大作で上映中。 で、さすがにぶっ続けで見るのはしんどいので、前回は、第一部と第二部だけ見て、今回は、その続きで、第三部をみて…

実在のテロリストを描いた超大作「カルロス」の第一部と第二部を見た

カルロスオリヴィエ・アサイヤス監督による対策映画「カルロス」は、3部作で全部で5時間半におよぶ対策。その3部にわたって、現在服役中のテロリスト「カルロス」を描きあげている。 カルロスとは私も、この映画のことを知るまではカルロスという人物のこと…

平穏な狂気「籠の中の乙女」

籠の中の乙女ヨルゴス・ランティモス監督というギリシャの監督による「籠の中の乙女」と題された映画を見てきました。シアターイメージフォーラムにて。 狂気はっきり言って、狂ってます。外界から隔離された家の中に暮らす一家。不思議な育てられ方をする子…

気狂いピエロの決闘はあまりにも刺激的です

三大映画祭週間いくつかの地域の映画館では、三大映画祭週間と題して、カンヌ、ベルリン、ヴェネツィアのそれぞれの映画祭の受賞作品を上映している。 関東では、渋谷のヒューマントラストシネマが会場となっていて、いくつかある上映作品の中から特に気にな…

アルモドバル監督による「私が、生きる肌」を見た

アルモドバル監督「Talk to her」 などで知られる巨匠、アルモドバル監督。その最新作「私が、生きる肌」が公開されているので、早速見に行ってみた。 アルモドバル監督の作品はというと、様々な境遇の中にありながらも、自身の価値観を大切にして力強く感動…

カウリスマキ監督より素朴な物語「ル・アーブルの靴磨き」

カウリスマキ監督アキ・カウリスマキ監督は、庶民の中でもより質素に不器用に生きている人々を描く作品を多く撮影している監督。その独特の古くさい画面作りやセット、俳優などによる演出とも相まって、そのほとんどなんにもない中に人間臭さを織り込んでい…

フォン・トリアー監督による狂気的なメランコリアを見た

フォン・トリアーフォン・トリアー監督は、ここ最近では、少し前に公開された「アンチクライスト」において、精神と肉体の極致を描くなど、美しき狂気を感じさせる作品を残す監督。自身も、うつ病を患っていたり、また、カンヌにてヒトラー関連で問題発言し…

巨匠最後の作品?タル・ベーラ監督による「ニーチェの馬」

タル・ベーラ監督ハンガリーの巨匠タル・ベーラ。ヴェルクマイスター・ハーモニーなどで知られる映画監督で、近年では、倫敦から来た男が上映されている。 そんなタル・ベーラ監督が最後の作品とも行っている映画「ニーチェの馬」が公開開始になったので、早…