ウォルター・サレス監督による新たなロードムーヴィーの傑作



ウォルター・サレス監督

ウォルター・サレス監督による映画、「オン・ザ・ロード」を見に行った。
この、ウォルター・サレス監督は、過去も数々の名作ロードムーヴィーを取っている監督。「セントラルステーション」は、家族を描いた感動作であったし、「モーターサイクル・ダイアリーズ」では、若き日のチェ・ゲバラを描いた傑作。ちなみに、この作品の総指揮はフランシス・コッポラである。


ロードムーヴィー

その監督による、この、「オン・ザ・ロード」は、アメリカのビート・ジェネレーションを代表する作家、ジャック・ケルアックの作品をベースにしたロードムーヴィー。なので、自由すぎる生き方をエネルギッシュに描いた文学がベースと成っている。


ディーンと作家

この作品の主人公は、作家を志望する男、サル・パラダイスとアメリカ横断などの旅を共にしたディーン・モリアーティ。
正に自由人そのものとも言えるディーン。その男に振り回せる周りの人間の一人として行動を共にするサル。書くことに行き詰まる彼は、彼との行動を共にするとその行動を書き留めていく。


振り回しそして

ディーンに周りの人間は魅了されながらも、愛想を尽かしてくその展開がこの物語の全てなのかもしれない。いや、そういってしまうと、陳腐にも思えてしまうのだけれども、その過程そのものに様々なものを感じさせられる。
自分の彼女を作りながらも自由に振る舞うディーン。そして、かれは常に楽しい思いをしているようでもある。しかし、行動をともにする彼女や友人は、やがて家庭を持ち、安定を図ろうとする。そして、そこでの選択は、ディーンとの離別。


孤独

やがて、ディーンは、多くの人は離れて行ってしまい、孤独へと転落していく。当のサルも、メキシコで病の中ディーンに置いてきぼりを食らうものの、作家としての成功へと道を踏み出し始めるのだが、ディーンはというと。


サルにも、ディーンにも、父をめぐる過去があった。父を亡くしたばかりのサル。そして、父が浮浪者のような存在になり何処かへと行ってしまったディーン。その感情を埋めようとするが故に、彼は刺激を求めていたのか、そして、しかし、結局埋めることが出来ずに。


文学

文学をベースにした作品であり、そして、主人公が作家であるが故か、この作品には文学のにおいがぷんぷんとする。言葉によって、多くのものが表現される。自由を求める感情が、破壊的な何かを求める感情が、その背景に持っている言葉にならない言葉が文学というものによってにじみ出すように表現されているようでもある。


傑作

この作品は、たしかに、あらたなロードムーヴィーの傑作といえる。途中、出口の見えない破綻へとただ向かっていっているだけに思える旅に、いたたまれないような感情さえも抱いてしまいそうなほどに描き尽くされている作品。この自由と閉塞感と平安を見事に対比的に描いたこの作品は見事と言うしかない。


関連リンク:
映画『オン・ザ・ロード』公式サイト
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