ロイ・アンダーソン監督三部作完結編「さよなら、人類」
ロイ・アンダーソン監督
あれは、何年前だったろうか、突如として現れた不条理な断片の集積により描き出さ絵れた面白くて切なくて風刺にとんだ傑作映画「散歩する惑星」が登場したのは。2000年のことなので、15年の月日がすでに過ぎてしまったが、私の中で5本の指に入る傑作映画であることに変わりはない。その後続編として、「愛おしき隣人」が約7年後に発表。さらにそこから約8年の歳月がたち、三部作の完結編として、「さよなら、人類」が上映となった。静止した
まず、普通の映画とは全く違うのは、美しく作りこまれた画面が固定されたフレームの中に描き出されていて、そして、そこを最小限の演技で、そして、大きな明確な物語性がないままに、展開されていくところ。多くの作品に対するとらえ方は、鑑賞者に委ねられているといってもいい。そして、物語以上にそこに描かれている画面の美しさがとても印象的でもある。
窓の向こう
部屋の構造に対してある程度の角度を持つフレームにて画面が構成されることが多く、そのことにより、より向こう側が覗き込まれる構成にもなっている。時に、メインの演技は正面に描かれているものの、その窓の向こう側でもまた印象的な演技が展開されてもいて、こういった細かい画面作りにも彼の作品の面白さがある。音楽
それと同時に音楽の使い方が印象的。突然に美しいコーラスが始まったり、画面をまたいで音楽がつながっていたり。そこには、時に美しさがあり、時に笑いがある。風刺
そして、風刺が深い。特に印象的なのは、終焉間際に準備された映像。そして、この物語の主人公的でもある二人の商人のうちの一人がみたのではという夢の映像。そして、なぜか空を見上げるカットで、そして、突然の物語が終焉する。
絶品
ということで、好きな人しか好きではないかもしれない映画ですが、私個人的には超絶にお勧めです。関連リンク:
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