スティーヴ・マックイーン監督による衝撃的映画ハンガーを見た
スティーヴ・マックイーン監督
名前が名優と同じなので、勘違いしがちですが、近年話題の映画監督スティーヴ・マックイーン監督。最近では、黒人奴隷に関する映画「それでも夜は明ける」が話題ですが、そのデビュー作「ハンガー」も当時は話題となった映画。ただ、日本公開は遅れていて、今年になってようやく劇場公開と成りました。IRA
この映画は、英国における北アイルランド紛争に関わる映画であり、舞台は刑務所。ここに、テロ活動などの罪で収容されているIRAのメンバーなどがいる。そして、彼らは一部の権利についての対立から、様々な抵抗運動を繰り広げ、一方でそんな彼らへの容赦ない弾圧が行われていた。その様子を描いた作品が、この「ハンガー」である。対立
この映画において、どの立場でどのように感じるべきなのであろうか。収容された人々の抵抗運動とそれを弾圧する看守たち。感情的には、囚人の立場で捉えないではいられない。服を着ない抵抗、そして、糞尿による抵抗。そして、それに対する弾圧。その背景にある政治的状況を完全に理解出来ていないが故に、その感情的な反応が正しいのかどうかが判断できない自分がいる。
しかし
しかし、例え犯罪において、悪があったとしても、それ故に囚人と成っているとしても、暴力による鎮圧は許されるべきではないだろう。例え、彼らの罪が実際にテロであったとしても。そして、その弾圧の陰惨な様子は、見るに堪えない要素もある。それは、昨今のテロに対しては何をしてもいいという風潮へ一石を投じているとも言えるのかもしれない。そして
そして、やせ衰えていく。ハンガーストライキが決行される。看守の視点で始まった映画は、新入りの囚人を経て、囚人のリーダーへと移行する。印象的な映像は、永台詞の末により無言の世界へと突入する。どのような
ここまでのハンガーストライキへと駆り立てる感情は、私にはなかなか理解出来ないものがある。そこまでの抵抗運動を行おうと思うほどの感情は、それは、絶望の果てにあるそれなのだろうか。あまりにも衝撃的な感覚で、見る側の感覚を圧倒するものがある。
美しさと衝撃
この映画には、現実とはかけ離れた映像美やヴィジュアル的な美しさがある一方で、我々の現実感覚とはかけ離れた現実が描かれている。その美しさと衝撃がこの映画のもつ強度なのだろう。
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