東京都現代美術館で「驚くべきリアル」



驚くべきリアル

東京都現代美術館で開催されている展示、「驚くべきリアル」を見てきた。MOTアニュアル フラグメント と同じタイミングで行われている展示で、もちろん、同じ日に見に行ったのです。


スペイン・ラテンアメリカ

この展示は、スペインとラテンアメリカ現代アートを集めた展示。タイトルである「驚くべきリアル」がまさにテーマであり、そこにあるのであろう現実をより迫真に迫って感じることの出来る展示。


現実

作品のウラに、何か深く刻まれてしまったような感情が感じられるような作品が多くあり、正に、驚くべきリアルという印象。
そのウラにある事件性であったり、歴史的な現実や、社会的な事実。
様々な状況によって深く感情に刻まれてしまった何かを表出させたような作品が多い。
なので、時にそれは心地よいものとしてではなく、目を背けたくなるようなそれであったりもする。


強い

その表現は非常に強く、同じ期間で行われているフラグメントの展示とは、完全に真逆の印象。フラグメントのほうは、平穏な日常という前提がある中に個の世界の広がりを魅せているのに対して、こちらのほうは、激動の現実によって深く個人に刻み込まれた感情が、表出されてきてしまったというような展示。
なので、その作品は強さがあって、強烈に印象に残る。


共感を超えて

それは、我々の場所とは違うからなのか、共感というレイヤを超えて深く感情に刻み込まれてくる。
しかし、それこそが現実なのかもしれない。現実は我々の感情が受け入れやすいスピードを圧倒して訪れて、そして、我々の感情を置き去りにしたまま、我々を引き回して、そして、強烈に引き裂かれた何かを感情に残していく。
まさに、そのような現実がそこには描かれているようでもある。


印象的

さまざまなものが様々に印象的で、しかし、一方で共感というレイヤーにとどまらないが故に、うまく作品を受け止めきれないところも私は感じた。
しかし、こういった強烈な異文化にある現実は、一方で、我々とは関係ない世界であるわけではなくて、その現実感覚というのは、我々が持っておかなければならないものなのであろう。