被り物を脱がない天才「フランク」を見た
フランク
フランクは、張りぼての被り物を被った天才ミュージシャンと彼と行動を共にすることになった凡人ミュージシャンを題材とした映画。ちなみに、このフランクには題材としてフランク・サイドボトムという実在の人物がいる。しかし、その実在の人物の実話というわけではなく、被り物を被ったミュージシャンというモチーフが使われているというにすぎない。
また、被り物のためにほとんど顔は出てこないですが、マイケル・ファスベンダーがフランクの役をやっております。
フランク
演奏中だけ被り物を被るというのであれば、対して珍しいことではないだろうけれども、このフランクは、演奏中のみならず生活のほとんどを被り物をかぶったまま。それは、彼の精神的な特異性によってなっているところでもある。ジョン
一方で、しがないサラリーマンであるジョンは、ミュージシャンにあこがれて日々音楽つくりをやめない生活を送っている。しかし、才能がないのかこれといったものは生まれてはこない。しかし、ひょうなタイミングでフランクの在籍するアヴァンギャルドなバンド「ソロンフォルブス」に入って行動を共にすることとなる。天才と凡人
それはいかれた生活であって、フランクのみならずバンドメンバーたちも癖のある人々。一方で、いたって凡人であるジョンは、そこに戸惑いながらもその中で自分にも特別な才能がありバンドに貢献できないかと模索するが。しかし、ちょっとした題材からすぐに音楽を作り上げるフランクと、必死に作ってもクソに過ぎないジョンのサウンド。そして、その才能の落差はかつて自分のミュージシャンであってマネージャー的な立場のドンが一番よく分かっている。
ライブ
そのフランクの才能とともに世界へと露出をはかりたいジョンは、インディーバンドの祭典での演奏を仕掛ける。しかし、ジョンの行動とは裏腹に、バンドは壊れていき、そして、ジョンのクソな曲によって崩壊。フランクともわけれわかれになってしまう。フランク
特別な才能をもつ異端なフランク。しかし、ようやく探しだしたフランクは、ジョンと同じようなところに暮らす同じように平穏な家庭に帰っていた。天才が天才である特別な所以はそこにはなく、つまり、ジョンとの間には圧倒的な才能の差異しかないとうことを思い知らされる。
最後のセッション
そして、バンドメンバーは再開。ジョン以外のメンバーは即興で素晴らしいサウンドを奏であげると、ジョンはただ立ち去るしかない。才能というものの恐ろしさと、しかし、才能だけではどうにもならない世間との差異というものもまたそこにはあって、そして、我々が直視しないといけないのは、才能がないものがそれほど才能ともいえないものを崇めたてているに過ぎないということかもしれない。
音楽
この物語としての面白さであったり感情に訴えることロモもちろんこの映画の見どころなんだけれども、音楽もまた見どころ。アヴァンギャルドなバンド演奏は聴きどころ満点で、劇中音楽としてのみならず普通に面白いサウンドとして音だけを楽しみたいとも思わせられるそれでもある。
音楽好きにはかなりおすすめな映画です。