真実の物語「フルートベール駅で」を見た



フルートベール駅で

晦日の夜フルートベール駅において、けんかをきっかけにした騒動の結果、一人の黒人青年が警官に射殺された。要因に対して重すぎる結論に対して、当時アメリカでは大きな話題になったという。
この事件をとりあげた映画がこの「フルートベール駅で」という映画である。


一日

この事件が起こる前のこの射殺された男の一日をこの映画は描き出す。
娘を持つ3人家族の父親。暖かい家族に包まれているものの、本人は、麻薬の売人である過去を持ち、そして、今は失業中の身。なにかとさっぱりとしないところはあるものの、しかし、暖かい家族とともにいる中で、自らも家族を守るために歩き出そうという意志が感じられるそんな一日。


新年

そして、大晦日の夜と新年の祝いを楽しむために街へ出かける。そして、そこで事件は起こってしまう。巻き込まれたけんかの騒動の結果、鉄道警察にひっぱりだされた彼とその仲間たちは、警官から過剰な暴力を受けて、そして、結果的に一人の警官が彼に向けて銃を放つ。彼は、病院へと連れられるが、祈りは届かず、彼を包んでいた暖かい家族や仲間に見守られて、彼は非業の死をとげる。


不条理

そこには、人種差別や政治的な問題などが引き合いに出されがちなのかもしれない、この事件の背景にあるものとしてと。しかし、この映画では、そういった何かに対する批判は強くは描かれてはいない。ただ、すこしぱっとしない男がそれでも人生を生きようとしているさなか、その人生を不条理に奪う事件が起こってしまったことの悲劇がこの映画にはある意味では淡々と描かれている。


悲しみ

世の中には、多くの不条理が今もいくらでもあるのだろう。どこかのちょっとした注意深さのなさであったり、どこかのちょっとした感情のもつれであったり、どこかのちょっとした怠慢のせいであったり。
やるせなさだけが、そういった悲しみにはある。そういったことが起こらないように、我々はちょっとした何かをしっかりと見つめ直さないといけないのかもしれない。


関連リンク:
映画「フルートベール駅で」公式サイト
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