文学的映画「危険なプロット」を見た



危険なプロット

危険なプロットは、フランソワ・オゾン監督による映画。
主人公は、ある文学の教師とその教師が担任をしているクラスの生徒。
教師は、文学教育の一環として作文を生徒に宿題として出している。ほとんどの生徒が取るに足りない文章を書くのに対して、ある生徒の書いた文章は、文学的なセンスを感じさせるものであった。
そこから、物語は深みへとはまっていく。


エスカレート

訳ありの家庭状況をもつが故かその生徒は、別のごく普通な生徒の生活に興味を持ち、そして、その家へと数学を教えるために通い始める。
その情景を作文として書き記し、宿題として提出した。
その内容に興味を持った教師が、徐々に文学の指導という形で、その生徒により多くの内容を書かせ始めるのだが・・・


虚実

文学の指導ということもあり、多くの作家や文章術が教師の表現の中から出てくる。そして、生徒の作文のシーンはやがて、実際に起こっていることの描写なのか、生徒の想像の産物なのかがわからなくなる。そして、作者が作品の中に出てくるかのようなメタ文学的なシーンまで登場し、描写の内容もエスカレートすれば、この映画自体の描写もエスカレートしていく。


そして

あまりにもエスカレートしていって、落としどころが無くなりそうな印象までし始めた頃に、物語は、教師の破綻をもって終わりを迎える。
しかし、それもまた、一体虚なのか実なのか?そもそも、映画という時点で虚であるのだけれども。


文学的

というところで、文学的なかるいサスペンス的な映画で、非常に面白く惹きつけられるように見ることが出来る。
少し前に紹介した「オン・ザ・ロード」は、もう少し違う意味で文学的であったけれども、この作品はかなり文学的な映画でもある。
文学表現というものが映像文化の反映の中で徐々に弱まりつつある昨今だけれども、むしろ映像とつながることでまた別の文学の意味が現れつつある状況であるのかもしれない。


関連リンク:
映画「危険なプロット」公式サイト
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