タイムリーすぎる? Hanken の Virus はヘヴィネス

Haken 英国のプログレメタルな実力者 Haken。長尺で物語性のある楽曲を、変則的で独特なサウンドで彩る。 さらに、その複雑なサウンドを完璧に演奏仕切るライブはなかなかの見もの。 Virus そんな彼らの新作は、Virus。 この時代に合わせたかのようなタイト…

モダニズムと Biffy Clyro 節

Biffy Clyro ちょっと変則的な感じに、ポップな感じで、MUSE に次ぐミクスチャー系なスリーピースバンド Biffy Clyro。 その新作 A Celebration of Endings を聞いてみた。 モダン サウンドは、結構モダンに処理されている。 彼らのサウンドって、ちょっと懐…

Pixie Ninja のうねる音像 Colors Out of Space

Pixie Ninja 伝説的バンド Anglagard のドラマー Mattias Olsson によるプロジェクトバンド Pixie Ninja。 各種ビンテージ楽器を活用した、陰りのある音像が美しい。 Colors Out of Space その2作目 Colors Out of Space。 モダンなリズムを持ったサウンドを…

待ちに待った新作 Protest the Hero の Palimpsest

Protest the Hero カナダ出身のプログレ・メタルバンドと言っていいのか、ジャンル分けが困難だけど、Protest the Hero。 グロウルとクリアボイスを使い分けるボーカルスタイルと、疾走感を持ちながらも屈折するサウンドが面白いバンド。 その久々の新作、Pa…

ノルウェーの美学 The Opium Cartel 新作も美しく

The Opium Cartel ノルウェーのバンドで、White Willowなどの人脈によるプロジェクトバンドに近い形態の The Opium Cartel。 久々の新作 Valor がリリースされたので聴いてみた。 美しく 北欧系の現代プログレらしく、憂いのある美しさが特徴的。 サウンド自…

パスカル・キニャール時を巡る論考「いにしえの光」

パスカル・キニャール フランスの小説家パスカル・キニャール。小説家という要素もあるけれども、哲学者というのか思想家というかという要素も強い。 今回は、「最後の王国」と第されたシリーズの作品「いにしえの光」。 これも、思想集という感じで、このシ…

さらなる進化 I am the manic whale

I am the manic whale イギリス産のメロディアスプログレなバンド I am the manic whale。 現代プログレの一つの潮流である、超メロディアスなサウンドを持ちながらも、構成力と演奏力で面白いサウンドを作るバンド。 そんな彼らの新作 Things Unseen を聴い…

John Holden による爽やかな Rise and Fall

John Holden John Holden は英国のマルチプレイヤー。2018年にすでにデビューアルバムを発売している。 今回は、彼の2枚めのアルバムに当たる Rise and Fall のご紹介。 多数のゲストミュージシャンを向けて作られた作品。 特にヴォーカリストは曲ごとに様々…

特異な人々を描いたトーマス・ベルンハルトの破滅者 

トーマス・ベルンハルト トーマス・ベルンハルトは、オーストリアの作家。陰湿な文体で、ときに祖国をひどく批判することから、本国では支持されず、一方で本国以外からはその得意な文体と文学表現により評価される作家。 多くの作品は、段落がなく、ただひ…

陽気な多国籍感 Minimum Vital の Air Caravan’

Minimum Vital フランスのバンド Minimum Vital。なんだかんだ言ってかなりのベテランになるバンドで、世代的にはポンプロックな世代と同時代からやっている。 エレクトリカな感じを持ちながら、シンフォニックでもあり多国籍感もありという不思議なテイスト…

Pendragon の Love Over Fear は兎に角優しい

Pendragon イギリスのバンド Pendragon。Marillion らと並び、プログレ第2世代 ポンプロックと呼ばれた世代を代表するバンド。 この時代のバンドは、軒並み当初のサウンド傾向から大きく変化を遂げ独自の世界を作り上げていて、例えば、上記のMarillionはそ…

Neal Morse Band による Great Adventour 本当にグレイト

Neal Morse Band 最早、元Spock's Beard の、と言わなくても、ソロでの活動が充実している Neal Morse。朋友 Mike Portnoy とともに、バンド形式で、Neal Morse Band と名乗り、このところ活動をしている。その最新ツアーのライブ映像作品 Great Adventour …

ヘンリー・ミラー 「冷暖房完備の悪夢」

ヘンリー・ミラー 米国を代表する作家。自由奔放にも思える人生を、自由奔放に描く、私小説とも、日記とも、文学とも取れる自在でかつ痛烈な文章で描く作家。 数年をかけて、水声社から刊行されていたヘンリー・ミラー・コレクションの最後を飾る作品として…

ハンガリーの SOLARIS 久々の会心作 Nostradamus 2.0

SOLARIS ハンガリーを代表するバンド SOLARIS。うねるようなシンセサイザーと切れ味の鋭いフルート、そして、そこに荒々しいロックテイストを加えながら構築された大作を作り上げるバンド。 長い活動の中で、近頃は散発的な活動である彼らですが、久々の作品…

話題のバンド Wilderun の Veil of Imagination を聞く

Wilderun Wilderun は US出身のバンド。これまでに3枚のアルバムをリリース。その3枚めに当たるアルバム Veil of Imagination を聞いてみた。 2019年のリリースの作品で、2019年ベストアルバム的なサイトにはかなりの頻度で登場していた作品がこれ。 という…

静かな旋律「約束のない絆」パスカル・キニャール

パスカル・キニャール フランスの作家パスカル・キニャール。作家であると同時に、音楽や舞台、一方で、哲学など、総合的な思索家であり表現者であると言える人物。 そんなパスカル・キニャールの作品群が、パスカル・キニャール・コレクションという形でま…

In Continuum の壮大で爽やかな Acceleration Theory

In Continuum In Continuum は、個人名義でもアルバムを発表している Dave Kerzner によるプロジェクトバンド。 ポップな風味を持ちながらも構築された大局も含む、聞きやすくてでも凝っているという 現代メロディアスプログレを展開するサウンド。 今回は、…

ノルウェーの賑やかなサウンド Moron Police

Moron PoliceMoron Police は、ノルウェーのバンド。ノルウェーというと、ジャジーなサウンドであったり、しょっと影の差すサウンドであったりというのが、なんとなくな印象だったのですが、このバンドは、とにかく明るいバンドです。そんな Moron Police の…

Barock Project のロックな新作 Seven Seas

Barock ProjectBarock Project は、イタリアのバンドで、クラシカルな楽曲である一方で、ポップなメロディーと抜群コーラスワークで、ネオプログレなバンドの中でも幅広いファンを持つバンド。 そんな彼らの新作といっても、もう随分時間がたってしまったけ…

サミュエル・ベケットの極地「事の次第」

サミュエル・ベケット「ゴドーを待ちながら」という演劇作品が最もよく知られているノーベル賞受賞作家サミュエル・ベケット。言語の限界に向かいながら、時に人が自分自身ですら表現することが出来ない感情を、言葉として現出させることに挑んだ作家ともい…

熱いサウンド Baroness の今度の色は Gold&Grey

Baronessアメリカのバンド Baroness。メタル系のサウンドだけれども、プログレメタルとジャンルされることもある。ただ、ごりごりのテクニカルさを押し出すという感じではなくて、アートと行った方がいいんだと重う。 Gold&Greyで、デビュー以来アルバムタイ…

あまりにもアヴァンギャルドなおフランス Le Grand Sbam

Le Grand SbamLe Grand Sbam は、フランスのバンドで、こちらでも紹介している、POIL に二人の女性ボーカルと一人のヴィブラフォン奏者が加わった構成。 ネットをいろいろと調べていると、どうも、シアトリカルな小オーケストラな活動があって、この3人はそ…

再び Flower Kings は、やっぱり Flower Kings

Flower KingsSpock's Beard と共に、新時代のプログレを牽引してきたスウェーデンのバンド Flower Kings。このところは、表だった活動が途絶えていたかに思えていましたが、久々の新作が登場 Waiting For Miracles。早速聴いてみた。 ユートピアFlower Kings…

吹きすさぶ荒野のように Alcest Spiritual Instinct

AlcestAlcest はフランスのブラックメタルでポストなサウンドのバンド。このミクスチャーは、Rolo Tomassi にも近しいテイストでもある。 その2019年新作、Spiritual Instinct がリリースされていたので聴いていた。 ほの暗い音像サウンドトーンはダークに抑…

三度目のフライト Flying Colors

Flying ColorsMike Portnoy のいくつかの活動の一つ Flying Colors。そのほかのバンドメイトとして、Dave LaRue, Casey McPherson, Neal Morse, Steve Morse が在籍していて、つまり、スーパーバンドと呼ぶべきバンド。 その3枚目のアルバム、Third Degree …

レムコレクション最後の作品 主の変容病院・挑発

スタニスワフ・レムポーランド出身の小説家、スタニスワフ・レム。様々な作風があるが、SF作家としてが最も有名であろう。また、彼の名著は、映画化もされており、「ソラリス」はタルコフスキーによる映画化で、名作映画としても知られている。 レムコレクシ…

Marillion の美しさ ALL ONE TONIGHT

Marillionイギリスの誇る孤高のバンド Marillion。アルバム FEAR をサポートするコンサートの中で行われた、Royal Albert Hall でのライブを収めた作品が、"ALL ONE TONIGHT - LIVE AT THE ROYAL ALBERT HALL"。 なんとなく、改めてみたら、やっぱり語らない…

遂に来た TOOL 新作は、言葉を失う

TOOLなんと表現していいのかわからない圧倒的な存在を示すバンド TOOL。 圧倒的なヘヴィでかつ複雑怪奇なサウンドによって、最早他の追随を許さぬ孤高の存在。長らくの新作が待たれていたが、遂に13年ぶりの新作 Fear Inoculum をリリース。 Fear InoculumCD…

アルゼンチンのストレンジポップ Catu KuÁ

Catu KuÁCatu KuÁ は、アルゼンチンのバンドで、Factor Burzaco のボーカリストによるバンド。ポップでアヴァンギャルドなサウンドが面白いバンドで、その新作 Que Vengan Los Pájaros を聴いてみた。 へんてこ簡単に言うと、へんてこポップサウンド。アンニ…

天使と悪魔 Rolo Tomassi の儚さと轟音

Rolo TomassiRolo Tomassi はイギリスのバンド。2005年にデビューしていて、すでに5枚のアルバムをリリースしている。Spence 兄妹を中心としたバンド。 その2018年作品を Time Will Die and Love Will Bury It を聴いてみた。 私は、このバンド知ったのは最…