東京都現代美術館にて、建築の作り出す新しい風景をいろいろと



新しい空間

現在東京都現代美術館にて開催されている展示、「建築、アートがつくりだす新しい環境―これからの“感じ”」を見てきた(〜2012/1/15まで)。


曲線的集積

そのタイトルが示すとおり、建築を中心としたアートによって構築される新しい空間を魅せる展示。数多くの建築家の特に概念的な部分を取り上げて、そこにみられる新しい空間設計を展示している。
で、そのそれぞれの建築家の特徴は、既存の立方体的な建築ではなくて、曲線を多用して、柱と壁という構造体を超えた形状を作り出しているというところ。


これからの”感じ”

その曲線やらせん建築物によって産み出される空間と、さらには、レンズや幾何学模様、材質の違和感、土着性、異文化性などによって産み出される今までとは少し違うずれの感覚を産み出す空間が展示空間を占めている。そして、それらを総称して、「これからの”感じ”」と副題をつけたのは、これは確かに納得のできるまとめ方でもあり、秀逸な副題。


このタイトルの妙は、その緩い感じを表現しているというところ。つまり、これが近未来だとか、これが自然との共生だとか、そういった大それたタイトルにすることを拒むこの緩い”感じ”が、絶妙。たしかに、これは、多様化していく社会において、多くのことを制約無く認めていくことが、文化的にも技術的にも可能になった状況を指し示してもいて、大きな流れは最早そこにはないと言うことを指し示しているともいえるだろう。


好き嫌い

だから、この展示のそれぞれの作家の作品は、人によって好き嫌いが分かれると思う。実際に私もそうで、面白いと思うものもあれば、層でないと思うものもあった。だけれども、その全てが、これからという感じでまとまっていると捉えることが、重要であるというのが、この展示の密かな主張なのだろう。


ちなみに

ちなみに、私は子供の頃から極度に曲線が大好きで、だから、この展示の多くの作品はかなり好みのそれら。その中でも、特には、少し前に、映画でも取り上げられた建築家、フランク・O・ゲーリー。その新たしくニューヨークに建てられた 8 Spruce Street という構想ビルディング。壁面に波打つような曲線が施されたそれは、あまりにも美しい。ちょうど、以下のような動画があったので上げておきます。





建築系

というところで、最近よくある建築系の展示の中でも、比較的建築好き意外のひとでも楽しめそうな展示だと思います。

関連リンク:
東京都現代美術館|MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO
http://en.wikipedia.org/wiki/8_Spruce_Street
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