三菱一号美術館に初めて行ってみた、カンディンスキーを見に
三菱一号美術館
三菱一号美術館は、丸の内のはしっこにあって、有楽町から少し歩けばたどり着くことの出来るところにあるそれ。もともとは、明治時代に、三菱一号館というのが、この同じ場所に建築されたらしい。その近代建築をある程度復元したのが、この三菱一号美術館。2010年春にオープンしたばかり。
お初
で、この美術館で展示しそうなものは、私の好みとは少し違う感じなので、行く機会はあまりないかなと思っていたのですが、ふと見てみると、「カンディンスキーと青騎士展」というのがやっていることに気づいたので、初めて見に行ってみた。ちなみに、この展示は、2011年2月6日までカンディンスキー
カンディンスキーは、抽象絵画の父との呼ばれる人物。色彩と数々の曲線により構成される具体的な対象物のない絵画の中でも、コンポジションシリーズはその集大成的な作品。私は、その昔、カンディンスキーの展覧会があった時に、コンポジションシリーズの本物を見る機会を得て、その作品を目前にして、しばし、呆然としていた記憶がある。それいらい、最も好きな作家の1人である。
青騎士
この展覧会のタイトルにもある、青騎士は、そのカンディンスキーが仲間たちと作った芸術家グループ。このグループにおいて、当時としては革新的な絵画表現を行い、展覧会を実施していた。当時
そんな、カンディンスキーと青騎士の仲間たちの作品およびそれにまつわる作家の作品を集めた展示がこの展覧会。当時のドイツ美術界を代表するレンバッハとシュトゥックの作品から始まる。ここで、当時の主流の具象画のスタイルであり、肖像画のスタイルを確認することが出来る。そこから、以降にカンディンスキーとその仲間たちが推し進めていった作品の展開を鑑賞することになる。
変遷
この変遷は、とても面白い。街の風景が徐々に簡素化されていくなかで、色彩はむしろ強くなり、形状は徐々に線へと分解されていく。最終的にカンディンスキーがたどり着いた抽象絵画の数多くは、みる機会が多いのだけれども、その課程の作品を見ることのできる機会はそれほど多くはないので、とても貴重な体験。そして、その変遷の時期の作品および、その仲間たちの作品も、とても、面白くて、私好み。その情景にある要素だけを取り出して、そして、再構築する絵画。そして、そこには、絵画によってしか表現することの出来ない感情がにじみ出てくる。そこでは、制作者と鑑賞者が共通の何かを感じる必要もなくて、鑑賞者がそこに何かを感じる隙間が制作者によって生み出されていて、絵画をインターフェイスとして、それぞれの出自により構成されているそれぞれのデータベースが何らかのものをそれぞれに産み出していくということ。
コンポジション
この展示は、「カンディンスキーと青騎士展」というタイトル通りに、青騎士の活動周辺に焦点を当てた展示であって、カンディンスキーその人を中心とする展示ではないので、しょうがないのだけれども、やっぱり、もう一度コンポジションを生で見てみたかったなってのがちょっと思うところ。この展示では、最後に、コンポジションⅦのための習作が展示されているので、まぁ、それはそれで満足。というか、この展示としては、見事に完結していると思う。
こじゃれた
まぁ、場所的には、有楽町からも近いし、こじゃれたところにあるので、そして、建物自体もこじゃれているので、デートで行ってもいいかもって思えるぐらいの場所。ただ、入場料が、ちと高い気がする。あと、門構がちゃんとしすぎているために、かえって入りづらいのと、入り口がどこかわかりづらい上に、中の案内もわかりにくい。案内人はいっぱいいて、お金かかっているなって感じを醸し出すけれども、それでも、なんか不便な感じがする。このへんが、なんか、美術館運営がいまだにバブルなものという領域から抜け出せないそれとも感じた。堪能
しかし、カンディンスキー好きの私としては、とても堪能出来た展示ではありました。関連リンク:
三菱一号館美術館カンディンスキーと青騎士展
dLINKbRING.Labo.dicmulsearch.ワシリー・カンディンスキー
dLINKbRING.Labo.dicmulsearch.青騎士
関連サーチ:
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