BUNKAMURAで、ベルギー幻想美術館



ベルギー

ベルギーという国は、結構不思議なところがあって、政治的には、完全に真っ二つに分かれた二つの地域が国内にあったりという状態だったり、、音楽関連でいうと、Univers Zero だとか、X-LEGGED SALLY などといった、容易には語り尽くすことの出来ない独特のサウンドを持ったバンドが登場したりするという、不思議な国だが、何かと奥が深そうな国という印象が個人的にはしているベルギー。


bunkamura

そんなベルギーの美術を幻想美術という切り口でまとめた展示が、現在渋谷の bunkamura で開催中のベルギー幻想美術館。


アンソール、マグリットデルヴォー

今回展示されている作家の中でも、よく知られているのが、アンソール、マグリットデルヴォーだと思う。特に、個人的には、今回の展示ではデルヴォーを特に期待していた。


アンソール

今回の展示全てに共通しているのだけれども、全体的に版画作品が多く展示されていて、アンソールもまたそうであった。油絵を見たときに感じたニヒルな印象と同時に退廃的な雰囲気を漂わせた印象が私自身のこの作家に対する印象を支配していたので、今回の展示での版画作品はそこにまた新たな側面を感じさせてくれたので貴重であった。勿論、大きく作品の印象が変わってきているということはなくて、どこか漫画的な人の顔の表情であったりという、若干人を食ったかのような印象のする作風は変わりないのだけれども、例えば、連作として為されていたり、もしくは、非常に細かいところまで書き付けられていたりというのは、新たな印象。


マグリット

マグリットは、もう既にいろいろなところでくさるほど見ているので、今回はそれほど期待していないままに見に行った。こちらも版画作品が多くて、そのことが逆に今までには無いものを見れたというところではあるが、強い印象は残らなかった。


デルヴォー

で、期待のデルヴォーデルヴォーはシュルレアリズムの枠内で当たられることが多いけれども、若干個人的には異なる気がしていて、まさに幻想の作家というのか、幾何学的に構成された、しかし、一方で神殿のような印象のするあり得ない町並みに、これまたあり得ない理想化された女性が半裸もしくは全裸でたたずんでいるという構図は、そこに感じさせる作家の病的なものを超えて感情が、しかし幻想的にするという無機質性によってヴェールをかけられているという面白さがある作品を描く作家である。
そんなデルヴォーの作品もまた、今回の展示は版画が主体。そうであるが故なのか、絵画のサイズも小さく、また、エッジ感がとても弱くて、幾何学的な様子が崩れているところ、また女性も丸みを帯びすぎてしまっているところがあって、彼の油絵に見られる迫力が全く感じられなかったのがとても残念。一枚だけ大作が掲げられていたのだけれども、やはり、これはさすがでデルヴォーの魅力を存分に感じることの出来るそれであった。そうであるが故に、ちょっと肩すかし的な残念さを感じてしまった。


面白い

ベルギーという国の19世紀後半から20世紀にかけての美術を幻想美術という枠組みで整理したこの展示はしかし、美術に対する一つの面白い切り口を提示していていい展示だとは思った。まぁ、展示作品のクオリティーがもう少し高いとさらに印象深かったのではと思われるが故に少し残念ではあるのだけれども。




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