オペラシティにて、アントワープ王立美術館コレクション展



オペラシティ

東京初台のオペラシティアートギャラリーにて、現在開催中の展覧会、アントワープ王立美術館コレクション展を見に行ってみた。ちなみに、この展示は、2010年10月3日まで。


油絵

1880年から1940年までの主に絵画作品を展示した展覧会。オペラシティアートギャラリーは、斬新な展示もしばしば行っているが、今回は、展示が絵画であるということもあって、シンプルな展示で、入り口側から順番に時代を経るとともに、時代のトレンドにより変化していく絵画スタイルを提示する展示。


アンソールからマグリット

タイトルは、アンソールからマグリットへという風になっているけれども、あまり、この二人の作家に注目してしまうと、この展示をしっかりととらえることはできない。この二人の名前がタイトルに入っているのは、どちらかというと、宣伝目的の要素が強いのでは。
そんな勘ぐりはいいとして、この展示ですが、個人的にも、純粋な絵画の展示が主体の展覧会の鑑賞が結構ひさしぶりだったので、かえって、新鮮な印象を受けた。


印象派からシュールレアリスム

全体の構成としては、印象派からシュールレアリスムへという風にタイトルづけた方が適切であると思う。これは、ある意味では、どんどんと抽象化度が増していった20世紀芸術のそのちょうど変化の過程をとらえた展示ともいえるであろう。印象派は、色彩を点描などによって画面に起きながら、その色彩の重なりによって、絵画を描きあげる手法ともいえるだろうけれども、これは、絵画の抽象化の第一歩でもある。人間の目の細胞の認識のしかたに酷似したこの手法は、絵画を写し絵としてのそれから、人間の認識の仕方への言及へと変化させる第一歩であるとも思う。
そこから、発展して、象徴主義から、抽象主義、シュールレアリスムへと展開していくことになる。


じっくり、すっきり

その展開を味わいこのできる展示ではあると思うけれども、じっくり味わうというよりも、むしろ、すっきりと味わえる展示といえると思う。展示スペースの要因もあるのだろうけれども、展示絵画数がそれほど多くないので、時代の変化を次々に味わっていくという感覚の方が強い。


有名どころ

というところで、この展示のコンセプトを味わうことができると思うけれども、やはり、有名どころの絵画を見たいという要望も多くあるだろうし、それは、先述のように、この展示のタイトルにも現れている。
アンソールの作品の展示もあるけれども、これぞアンソールという作品は展示されていないと思った。というよりも、アンソールの絵画の変化を味わえるというところか。それから、マグリットの作品については、これは、多く展示されている。さらには、デルヴォーの作品も展示されている。


というところ

というところなので、展示としては、一般的な展示で、ある意味では、安心して鑑賞できる展示。個人的にも、インスタレーション系の現代美術の作品の鑑賞が最近多かったのだけれども、久しぶりにじっくりと絵画を鑑賞したので、あらためて、絵画のおもしろさを確認できてよかった。


関連リンク:
アントワープ王立美術館コレクション展|東京オペラシティアートギャラリー
東京オペラシティ アートギャラリー
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