2010年の美術展を自分のブログから振り返る



今年も

さて、今年も残すところわずかになってきましたので、恒例(?)の一年を自分のブログから振り返るを順番に年をまたいで進めていきたいと思います。


美術展

ということで、まずは美術展から。
今年は、いろいろとリスト作りをしていったので、正確に今年訪れた美術展数が把握できていて、22展示に行った。月約2回というペースなので、まぁ、そこそこか。

2010年に訪れる美術展数
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うーん

しかし、やはり、美術の世界は、行き詰まってますよね、毎年書いている気がするけれども、ますます今年はドン詰まっていた。新たな展開を図ろうとする様子もあるけれども、いずれにせよ爆発力はない。なのに、トリエンナーレ的なイベントだけが増えているという状況で、どうにもこうにも。で、どんなものでも展示対象にしてしまって、ますます濃度が薄くなってしまっている気がする。
まぁ、単に私の好みの展示ではなくなってきているだけと言うことかもしれないけれども。


圧倒的

で、いろいろと振り返ってみるのだけれども、これというインパクトを受けた展示はあまりなかったのが正直なところ。
そんな中、2010年の最も印章に残った展示は、王道な選択で、圧倒的に、William Kentridge の東京近代美術館で行われた展示(記事はこちら)。
もともと、私自身はこの作家の作品が好きだったので、あたらな発見というわけではないのだけれども、多くの作品をまとめてみることの出来たのはこのときが初めてだったので、非常にいい経験だった。また、映像作品展示という難しい課題を見事にこなした展示方法も秀逸であった。


秀逸なキュレーション

そんな秀逸な展示という意味では、もう一つ、東京都現代美術館での展示、トランスフォーメーション展(記事はこちら)。
トランスフォーメーションという観点で多くの美術作品や、さらに美術作品を超えた領域まで語ってみせた展示はとてもすばらしかった。


過去

それから、過去を振り返る展示という意味では、三菱一号美術館でのカンディンスキー青騎士展(記事はこちら)。これも、私自身が、カンディンスキーの作品が大好きというのはあるのだけれども、その前後の歴史とともに、彼の仲間たちの作品にも触れることの展示だったと言うことで、より、カンディンスキーの存在を立体的に確認することの出来る展示だった。


そのほか

そのほかはというと、うーん、というところ。最初にも書いたけれども、これと行った印象的な展示はなし。新たな発見を感じさせるような可能性もなにも感じなかったのが正直なところ。
このままだと、私の足も美術館から遠のいてしまうかもしれない。
そういう意味では、美術の一般化にも失敗しながら、さらに、美術ファンも取り込みきれないとなると、美術業界というのは、もう一段業界が縮まる必要もあるのかもしれないとも思っている。
たしかに、この価値の多様性の時代ではそれが適切なのかもしれない。