PCを音源として音楽をいい音で聞く方法を考える〜中級編



第二回

ということで、PCを音源とした時の音楽再生について、前回はUSB-DACについて若干言及するというところまでで終了したので、今回は、そのUSB-DACあたりからいろいろと考察していく。


USB-DAC

USB-DACはその名の通りで、USBからのデジタル出力をアナログにコンバートする製品のこと。なので、PCとUSB-DACをUSBケーブルで接続し、USB-DACのアナログ出力を、既存のオーディオシステムへ接続するということになる。もしくは、ヘッドフォンアンプを搭載しているようなものもあり、そういう製品の場合は、ヘッドフォンを接続すれば、それで、音を聴くこともできる。


ポータブル

昨今、iPodの人気により、イヤフォン、ヘッドフォンがちょっとしたブームになっている。そんなか、さらなる音質を求める人々は、iPod などの携帯音楽再生デバイスの出力をさらに、ポータブルなヘッドフォンアンプにつなぐということをしている(私もそんな一人です)。で、このポータブルヘッドフォンアンプのなかには、USB-DACとしての機能を持っているものも多くある。そういったものを持つと、外出先も家でも高音質を体験できる一石二鳥を実現できる。私は、Nuforce icon mobile というのを使っていて、性能に満足しているが、現時点で気になっているのは、OYAIDE の Fiio シリーズからで、E7 (製品情報はこちら)という製品。1万円弱くらいの値段設定だけれども、iPodなどとちょうどあうサイズで、駆動時間や機能も充実。
家での使用では、PCとこの製品をUSBで接続し、この製品と、前回紹介したアンプ内蔵のスピーカーに接続したり、ケーブルで既存のシステムに接続したりすると、PC付属のオーディオボードとはレベルの違うサウンドを体験できると思う。


オヤイデ電気 USB DAC + ポータブル・ヘッドフォンアンプ Fiio E7
発売元 : オヤイデ
発売日 : 2010-05-25 (エレクトロニクス)
売上ランク : 22398 位 (AMAZON.co.jp)
¥ 10,833 在庫あり。
評価平均 : /3人
iPadに接続して使っています
低音はいいけれど・・・
思っていた以上の性能
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もう少し

次に紹介したいのは、こちらも比較的似たコンセプトの小型でお手頃なUSB-DACで、icon μdac2 (製品情報はこちら)という製品。小型だけれども、持ち運びに向かなそうなので、PCとの据え置きシステムになると思う。ただ、こちらも、ヘッドフォンアンプとしての機能を持っているし、アナログRCA出力(よくある赤白の端子の出力)もあるので、既存のミニコンポなどで簡単につなぐことが出来る。15000円程度。
また、こちらのDACは、96kHz/24bit に対応する(この言葉の意味については、このブログの最後に解説しています)。


ニューフォース USB DAC「Icon-uDAC」ブラック ICON-UDAC/BK
(CE)
売上ランク : 94175 位 (AMAZON.co.jp)
評価平均 : /1人
最小の費用で劇的な音質向上効果!
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アクティブスピーカー

で、ここで、少し製品のレベルが上がってきたこともあり、アクティブスピーカーについて、もう一度。前回紹介したのは、もとからPC系を意図して作られたアクティブスピーカーなので、ミニプラグの使用がベースだったけれども、オーディオとして作られているアクティブスピーカーも少なからずある。スペース的に許されるならば、それらを試してみるというのも一つの手段。お手頃なところでは、FOSTEX PM0.4n はどうだろう(製品情報はこちら)。ペアで2万円程度。みてくれも、少しオーディオ感がでてきて、違った充実感も得られると思う。


FOSTEX プロフェッショナル・スタジオ・モニター PM0.4n(R) 1台
発売元 : FOSTEX
発売日 : 2010-04-12 (エレクトロニクス)
売上ランク : 46025 位 (AMAZON.co.jp)
¥ 9,849 在庫あり。
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さらに踏み込む

さて、USB-DAC の世界は、まだ入り口にすぎないので、もう少し踏み込んでみる。中級クラスの3万円から10万円ぐらいの領域には、非常に多くの製品がある。ここから、自分の気に入るものを見つけ出すのは至難の業。このあたりは、もう、見た目のインスピレーションと幾ばくかの試聴しかないところではあると思う。そんな中で、私が気になるのは、FOSTEX のHP-A3(製品情報はこちら)という製品。これには、上位モデルHP-A7という製品もあるのだけれども、いろいろなところの情報からすると、こちらの製品の方が、コストパフォーマンスという意味ではいいということをよく目にする。3万円強の製品。この製品に似た領域という意味では、AMAZONやそのほかの電気系ネットショップ、市中のお店などでも並列して出てくるので、調べてみると面白いと思う。


FOSTEX 32bitDAC ヘッドホンアンプ HP-A3
発売元 : FOSTEX
発売日 : 2010-01-07 (エレクトロニクス)
売上ランク : 5676 位 (AMAZON.co.jp)
¥ 32,500 通常3〜4日以内に発送
評価平均 : /6人
高望みは禁物
これは、安くて良いね。
MacでDJソフト使用で使えませんでした
一言で言ってハイレゾリューション、高分解能
個人的には満足
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ここまでくると

で、ここまでくると、一般的なアクティブスピーカーやちょっとしたコンポで聴くには少々もったいないレベルになってきている。なので、ここで後段のシステムにも少し言及しよう。


ミニシステム

最近、オーディオ業界では、あまりにもハイエンドに走った反動なのか、比較的安価で扱いやすいミニシステムも出てきている。いわば、単体コンポなのだけれども、ミニコンポ的に扱えるような製品。
そんな中で、注目なのは、pro-jectというオーストリアのメーカーの BoxComponent シリーズ。片手に乗るレベルのサイズの単体コンポシリーズで、アンプやUSB-DAC、レコード再生用のフォノイコ、iPod用の製品などなどがある。また、サイズは少し大きくなるが、CDプレイヤーもラインアップに入っている。なので、好きな組み合わせを選んで、ちょっとしたシステムを組める。たとえば、DACは先述のHP-A3を使いながら、CDプレイヤーに、CD Box(6万円強)、アンプに、Stereo Box (6万円強)で、これにまぁ、5万くらいのスピーカを組み合わせれば、総額20万くらいで、それなりの小型システムが出来る。また、このシリーズにも USB-DAC もある。


プロジェクト プリメインアンプ(シルバー)Pro-Ject STEREO BOX SLV(PROJE
発売元 : プロジェクト
(CE)
売上ランク : 208060 位 (AMAZON.co.jp)
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ちょっとしたシステム

ただ、やっぱり、ちょっと高いかなってきもする向きには、サイズはあるけれども、もう少し安価でまとまったシステムとして、Cambridge Audio の SYSTEM350 というのがある(製品情報はこちら)。CDプレイヤー、アンプ、スピーカーがそろって、実売10万程度か。先述の、HP-A3の出力をここに入れれば、ずいぶんと世界が変わってくるだろう。





USB-DAC搭載機

と、まぁ、いろいろとあるわけで、USB-DAC単体の世界ももう少しあるのですが、さらに深い世界になると、USB-DACというよりも、高級DACがUSB入力も持っているというような世界に変わっていきます。で、このあたりでUSB-DAC単体の世界からは離れて、USB-DACを搭載しているシステムというところへ進んでみたい。PC再生が一般化するにつれて、コンポシステムでUSB入力を持つものも増えている。元々、CDプレイヤーは必ず、DACを持っているので、それを利用するというのは、ごく自然な考え方でもあると思う。


毛色は少し違うけど

そんなところで、まずは、ミニコンポシステムで考えると、ちょっと毛色は違うかもだけれども、iPod トランスポートとしてもてはやされている ONKYO が出している製品で ND-S1 というのがあるのだけれども、これもUSB入力を持っているので、PC音源を入れることが出来る。この ND-S1 を含むコンポシステムが、NRX (製品情報はこちら)。4〜5万円程度で一式というのは、コストパフォーマンスよしですね。


オンキヨー デジタルiPodドック付属CDコンポ X-S1ND(B)
発売元 : オンキヨー
発売日 : 2010-02-01 (エレクトロニクス)
売上ランク : 10936 位 (AMAZON.co.jp)
¥ 40,316 在庫あり。
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真空管

もう少し、面白いシステムで言うと、Peachtree Audio というところの出している、iDecco (製品情報はこちら)。こちらも、iPod からデジタルで信号を取り出すことの出来るドックを搭載したシステムで、USB入力も受け入れいることの出来るシステム。そういう、デジタルなシステムなのに、プリに真空管を使うというところがにくい。
ちょっとお高くて、これ単体で、17万円程度か。ただ、これはプリメインアンプだけなので、これにさらに、スピーカーは必須で、CDユーザーならCDプレイヤーも必要。CDプレイヤーは、安価だけれども、デジタル出力を持つものを選んで、デジタルでこのシステムに入力するという手段もある。とはいっても、CD、スピーカーも加えると、30万弱くらいのシステムなってしまうのかな。




スピーカー

ということで、システムまで言及してしまったので、ついでに、小型スピーカーも気になるものを紹介してみる。安価で質実剛健なところで選ぶと、B&W の685あたりか(製品情報はこちら)。6万円前後。入門編には悪くない選択だと思う。




こじゃれて

ちょっとお高くなるけれども、こじゃれたスピーカーで、私のお気に入りは、Monitor Audio の APEX(製品情報はこちら)。
私自身は、5.1ch時のサラウンドスピーカーとして使用しているのが、明快な音を鳴らすので気に入っている。ただ、ペアで10万円近くしてしまいます。




深みに

というところで、徐々に USB-DAC からシステムまで絡んでしまって、分量が多くなってしまいました。まぁ、こんな感じで、あれこれ妄想しながら、オーディオにはまっていくというのが、この、オーディオの楽しみでもあるわけです。ちなみに、システムとしてくみ上げると、今度は、ケーブルや設置法までいじりたくなりますし、いじった方がいいです。ということで、そんな場合は、少し古い記事ですが、こちらを参照ください。
あと、以下は、ちょっとしたデジタル関連の情報を記載して、今回は終了にします。で、このあたりのデジタルなオーディオ世界は、PCオーディオをさらに超えた、ネットワークオーディオという世界もありますので、そのあたりは、次回の上級編で妄想したいと思います。


豆知識

では、デジタル音源に関する豆知識を以下に。わかりやすさを優先して、技術的厳密さを書いている箇所もありますがご容赦。
デジタル音源を扱うと、たとえば、44.1kHz/16bit などといった記述をよく目にすると思う。これは、前者がサンプリング周波数、後者が、量子化語長。これを簡単にいうと、前者が収録周波数の上限、後者がダイナミックレンジ(音量の幅)の上限を示している。通常のCDの場合は、上記の44.1kHz/16bitであり、おおよそ収録上限周波数20kHzで、レンジが96dB。人間の可聴域という観点で考えれば、これで十分というので、CDがこの企画になっている。
ちなみに、サンプリング周波数というのは、データ取得の間隔ということで、デジタルデータなので、連続データではなくて、離散データになるのだけれども、これをどのような細かさで収録するか。アナログな波をどのような細かさに分けるのかということ。Hzという単位を1/秒と同意なのを見ればよりわかりやすいかと思う。平たく言うと、サンプリング周波数44.1kHzというのは、つまり、1秒間に44100回データをとるということ。だけれども、ここで注意は、サンプリング周波数=収録上限周波数ではないということ。これは、FFTを理解していれば、何のことはないのだけれども、一般にはなじみが薄い概念。周波数というのは、サイン波で表現される。このサイン派を再現出来ないと、その周波数を収録することは出来ない。つまり、一つのサイン波のある一点をとっても、その波は表現出来ないことになる。ざっくりいうと、なので、サイン波の中に、2点以上のポイントがないと波は再現出来ない。ということなので、44.1kHzのサンプリング周波数だと、上限周波数は、22.05kHzになる。ただ、CDの場合は、その前段でカットオフがかかっているので、上限は20KHzになっている。
で、一部のDACはアップコンバートの処理をしたり、また、高音質配信のデータは、より高いサンプリング周波数と、量子化語長をとっている。なので、DACの選定においては、アップコンバート対応しているかだとか、PC側で高音質配信データを再生したいならば、そのサンプリング周波数/量子化語長にマッチしているかなども重要な確認項目である。


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