六本木クロッシング2010を見てきた



六本木森美術館

六本木ヒルズの最上階にある森美術館は、毎年、まさに現代美術といえるような作品を集めた展示、六本木クロッシングを開催しているのだけれども、今年も”2010”として開催中で、終わる危険性を感じたので慌てて行ってみた、7月4日まで。


芸術は可能か

ことしのテーマは、”芸術は可能か?”で、新しいようで古典的なテーマという感じのするところ。インスタレーションな作品を中心とした展示なのだけれども、このテーマがある意味卑怯といえばそうで、どんな展示をしても、このテーマに合致してしまうと言うところ。なので、私の感じたところでは、この集めた作品の集め方によって何かを主張しているという印象は無くて、様々な価値観を提示して見せたというところか、もしくは、いろいろ集めただけ。
深そうで、浅いテーマなので、ある意味分かりやすい展示という感じもする。つまり、理解出来なくても、こういう価値観があるのねと捉えればいいのだし、逆に芸術的な主張をその作品から感じなかったとしても、芸術に価値などないという主張であると捉えればいいという。個人的には、こういう展示は好みではない。


蒼々たる

ただ、集められている作品は、さすがというのか、現代美術系の展示ではかなり良く目にする作家の作品が揃っている。森村泰昌や、米田知子、高嶺格などなどなど。
なので、どちらかというと、興味のない作品は見流して、好きな作品をじっくりと見るというのも悪くない鑑賞の仕方だと思う。というか、あの種々雑多展示に対して、どの作品に対しても、適切に何かを感じ入る方がおかしいのではと、私は感じた。


印象に残る

個人的に印象に残ったのは、高嶺格さんの作品で、在日をテーマにしたもの。テーマにかかわらず政治的な印象よりも、個人の感情を扱うような作品。分かりやすい内容だと思う。といっても、大好きな作品というわけではなくて、その他の作品に比べてというところ。その他は、まぁ、そんなところかなというところで、あまり私の好きな作品は無かった。というか、やっぱり全体の展示としてはどうも、見本市的かな。ここ最近、現代美術の展示いくと、いつもこういう印象を抱くのだけれども、私自身の発想が行き詰まってしまっているのかもしれない。そんな意味では、私自身の価値観ももう一度再構築すべきと言うことでもあるのかな。


ダムタイプ

あと、個人的には、注目だったダムタイプのS/Nの上映が、タイミング良く見れたのでラッキーだった。古橋悌二さんの遺作とも言える作品で、愛をキーワードとして使いながら、個人の個性・個差とは何かを描き出すような作品。いわゆる演劇とはまた少し違う味わいのあるダムタイプの作品なので、見る人を選ぶかもしれないけれども、興味深い作品です。ちなみに、ICCでは、ダムタイプのその他の作品の上映も現在やっています。


今回も

で、最近写真撮影を許可する展示を時々やっている森美術館ですが、今回もそう。クリエイティブコモンズライセンスを適切に設定するれば、ネット公開も可。さらに、Flickr に特設サイト(こちら)を作っていて、写真のアップを促してもいます。


ちなみに

私が行ったのは日曜日だったけれども、そのときはやたらチケット販売が混んでいるとおもいきや、ボストン美術館展が故だったみたいで、こちらの展示のほうはそれほど混んでいませんでした。


関連リンク:
MORI ART MUSEUM
2010_06_13-Roppongi-Crossing2010 - Rogi073 - Picasa Web Albums
関連サーチ:
六本木クロッシング2010(AMAZON.co.jp)
六本木クロッシング2010(Google)
六本木クロッシング2010(Technorati.com)
六本木クロッシング2010(flickr)
Powered BY AmazoRogi

六本木クロッシング2010展:芸術は可能か?
発売元 : 美術出版社
発売日 : 2010-05-01 (単行本)
売上ランク : 163676 位 (AMAZON.co.jp)
¥ 2,625 在庫あり。
Powered BY AmazoRogi Data as of 2010-06-21
See detail & latest visit AMAZON.co.jp