原美術館にて、マイクロポップ



マイクロポップ

少し前に、水戸芸術館にて開催された展示で浸透した美術の概念、マイクロポップは、美術評論家松井みどり氏の作り出した言葉。
この言葉によって表現することのできる作品を集めた展示が原美術館にて開催中なので行ってみた。7月20日までなのでぎりぎりでした。


ダダダダ

全体的に感じる作品の印象は、ダダ的であるということ。もう少し言うと、ダダ・ダダというような訳の分からない言葉を出したくなるようなそんな印象。
いずれの作品も、どんな形態や概念からも離れてしまおうとしているようなそんな印象で、ただのポップという言葉であれば、大衆的なものとつながりそうなのだけれども、ここに在る展示は、大衆的なものとは少なくとも表門からは通じていない。ただ、要素としてのポップ的なものは確かに適用しているようにもとれる。
しかし、それらは、最終的な作品としては、過剰に無意味な物へと結実しているようにとれた。


孤立

そして、この様な作品スタイルに感じるのは、あえてといっていいのであろう社会からの隔絶。例えば、過去のダダなどとは違い社会への強いメッセージがあるようにはここには感じられないし、しがらみから抜け出すための価値の破壊という物でもない。
むしろ、どうにもならない無気力感がそのまま作品になったようにさえ感じさせられた。爆発してむちゃくちゃになったというよりは、構築しきれなくてバラバラになったという印象。
抵抗しても抵抗しきれない大きな潮流に対して、ただ孤立することで、そして、そこだけの言語で語ることで、存在を何とか保持しようとしているかのようでもある。


そうぞう

勿論、このような私の捉え方は、偏見に満ちているのかもしれない。それに、もしかすると過剰に頭の中で作品を翻訳しすぎているのかもしれない。もっと感じるべき何かがそこにはあったのかもしれない。だけれども、個人的には、むしろ高揚を吸い取られてしまうような、そんな感情におそわれてしまった。なんというのか、酔っぱらって自分のそれほどでもない趣味自慢をしている人の話を早く終わらないかなって気分で聴いているような、そんな感じって言うと、ちょっとひどい言い方過ぎかもしれないけれども。




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