東京都現代美術館にて、デジタルに浸る、池田亮司 +/-



池田亮司

現在開催中で、2009年6月21日まで東京都現代美術館にて開催されている池田亮司さんの展示を見てきた。


白と黒

2フロアーを使って展示で、それぞれのフロアは、展示作品以外は暗転された暗がりの世界と、床から壁から天井から白に包まれた世界。
そこに、メディアアートというべきなのかわからないが、デジタルな映像作品と、数字を刻印した作品、および、サイン波(?)を発するスピーカによる作品が展示されている。


暗がり

まずは、暗がりから。照明の落とされた空間に、10枚ほどのモニタとそして、3台のプロジェクタにより壁一面に映し出された映像による作品。映像は、デジタル的に作成されて、そして、デジタルを強く感じさせるもの。それぞれは、例えばタイムラインのように、3D図のように、バーコードのように、科学式のように、などなどに感じられるのだけれども、実際のところ、それが何を差しているのかは全くもって、わからない。実際それらが意味を持たないのか、それとも、何らかの意味をそのような記号へと還元しているのかも不明。
そして、そこに、電子的な音が時々響き渡る。めまぐるしく変化し続けるデジタル映像とそして、ミニマルに響く電子音。それだけで、完全に異世界に入り込んだ状態を体感出来る。


そして、フロアを移動すると、床まで白い絨毯が敷き詰められているために、靴を脱いで観覧しなければならない白の世界にたどり着く。細かい数字が敷き詰められた作品が8枚ほどあり、そして、そのおくに、5台のスピーカーによる音響作品が設置される。普段の感覚が重視する周波数耐とは異なる域にある周波数が放射されている。そして、それらは対面するスピーカの間では、干渉し合うが故なのか、そこでだけ聞こえる音が存在する。普段聞き慣れない無味乾燥で心地よいとは言えない音響に、やはり、感覚が普段のものとは異なる状態に導かれる。


体感

そう、まさにこの体感するしか無いというのが、この展示の特徴であると感じた。一見、作品自体はデジタルな物により出来ており、そこには、感情や感覚が入り込む隙間もないようにさえ思うのだけれども、実際には、そういった物を前にすると、言語によって理解することが困難であることもあり、感覚を研ぎ澄ませなければならない状態になっていることに気づかされる。また、それは、単に理解不能であるからだけれは無くて、そこにある世界が日常の先入観により認識できる世界ではなくて、全く不慣れな世界であるが故でもあると思う。
そう、結局感覚を研ぎ澄ますことになること、しかい、一方でそれでもなお、理解不能であること、このことに、この作品の面白さの一端があるのではないかと感じた。


ジャイアント・トらやん

ちなみに、現在東京都現代美術館には、ヤノベケンジさんの作品、ジャイアント・トらやんが常設展に展示されている(2009年8月2日まで)。また、その他の常設展示作品も、比較的近年の作品が多い中で、とても面白い展示となっているので、こちらもまた楽しめます。
ちなみに、ジャイアント・トらやんは、エントランスホールに入れば見ることができるので、チケットを買わなくても見ることも出来ます。とはいえ、現代美術館の場所が場所だけに、なんかのついでに覗き見るという事はないかもしれませんが、木場公園ぐらいに行くことがあれば、覗いてみるだけでも価値があるかも。

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