オペラシティの収蔵品展は、難波田龍と難波田史男です



お先に

オペラシティでは、現在”ディーナー&ディーナーの試み ”という建築系の展示が行われているので、それを目指してオペラシティアートギャラリーに行ったのだけれども、同時で開催されている収蔵品展が、オペラシティーアートギャラリーが力を入れている難波田龍と難波田史男の作品展示のほうが、書きたいことがいろいろとあるので、先にこちらのほうの印象をまとめて、後日、”ディーナー&ディーナーの試み ”のほうはアップしようかと思います。


私の愛する

というのも、特に、難波田史男は私の最も愛する画家の一人だから。龍起の作品もすきなのだかれども、史男の作品は、私にとっては特別な物。これは、理屈を超えて好きなのだからしょうがないというレベルで好き。そんな史男は、30代前半にして、事故死したのだけれども、もともと内省的な印象の強い作家だけに、同じように内省的な印象が強くて、30代前半で事故死した石田徹也の存在も似ている。ただし、生きた時代は全く違うが。


混沌と悩み

史男の作品については、そこにある何というのか、自由奔放な印象の画面の一方で、細い線や、その線がにじんでいたり、形状の定まらない多くの物が、画面全体に中心が無く広がっているその様子。時に乱暴に、時に静かに、時にかわいげに。この画面に広がる何とも言えない、悲しみや悩みが見ていると感情に入り込んでくる。特に、疲れた感情を抱えていると、史男の作品は、溜まらなく心情に同期してくる。
龍起の作品は、それに引き替え、感情が表層には暴露させていない。アンフォルメルを経て、独自の抽象画を完成させている。ただ、史男が若くして亡くなったということは、龍起は息子を失ったということで、さらに、もう一人の息子も同じ頃に亡くしているので、感情的には、多くの物を背負っているだろう。龍起の独自の抽象画にある、どこか悟りの境地のような、一方で狂気的な激しさは、そこに起因しているのかもしれない。ただ、そういった個人的なものを超えた領域にあるのは、さすがで、そういった背景を知らなくても、十分に堪能出来る作品。


静かに

多くの人は、ただ過ぎ去っていく。ちょっと見るだけで。難波田作品の一般への浸透度はそれほど高いわけではないが故に。出来れば、多くの人にこのすばらしさを感じて貰いたいとおもうのだけれども。そして、静かに、画面に対峙する。何ともいけぬ感覚を体に染み入れる。溜まりに溜まった日常生活の感情を、画面を通じた日常ではない感情によって、覆いこむ。そして、少し明日への活力へと変えていく。


知らなかったのですが

2008年に、難波田史男の遺稿を集めた書籍「終着駅は宇宙ステーション」が刊行されていた。とりあえず、早速購入してみたので、じっくり読んでいこうと思う。


関連リンク:
SEUNZE.com -> dzd12061 -> 収蔵品展028 難波田龍起・難波田史男 -> 詳細情報
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難波田龍起・史男記念美術館
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終着駅は宇宙ステーション
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発売日 : 2008-04 (単行本)
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