2012年を自分のブログから振り返る-文学編
文学編
さてさて、昨日に引き続き2012年を自分のブログから振り返るで、本日は文学編。ニュースから
2012年の文学的ニュースはなんと言ってもノーベル文学賞を受賞したのが、私の大好きな文学者莫言氏であったということ。個人的な感覚からすると、ようやくという感じが強いが、めでたいことでした。もう一つのニュースは、安部公房の幻の初期作品が発見されたということ。こちらは、雑誌は入手したもののまだ読んではおりません。
ベスト
ということで、ニュースはそれぐらいで、今年読んだ本から、私が最も印象に残った作品は、クロード・シモンの農耕詩(ブログはこちら)。結構な難読書で、これを読むのに時間がかかってしまったが故に、今年は、文学作品は七冊しか読めなくなってしまいましたが、しかし、この作品はかなり堪能出来る作品で、三人の彼が微妙に交錯しながら、淡々としながらも子細な描写をベースに描き上げられた世界が圧倒的でした。
次点
次点は、シギズムンド・クルジジャノフスキイによる短編集「瞳孔の中」(ブログはこちら)。カフカや安部公房を彷彿とさせる作風で、仮想的な世界観の中に哲学的でメタ文学的な文章が広がっていた。また、そこには人間の根源的な感情としての恋を中心にそえて、人間の感情をあぶり出す作品であった。
シリーズ
そのほかにも、今年も発刊が進んだ大型シリーズとして、トマス・ピンチョン全小説。残念ながら重力の虹は発刊されなかったので、2013年の楽しみということになりました。もう一つは、レーモン・クノー・コレクション。ついに、代表作文体練習も発刊されたところですが、順調な発刊ペース過ぎて読むのが追いつきません。