2012年を自分のブログから振り返る-文学編



文学編

さてさて、昨日に引き続き2012年を自分のブログから振り返るで、本日は文学編。


ニュースから

2012年の文学的ニュースはなんと言ってもノーベル文学賞を受賞したのが、私の大好きな文学者莫言氏であったということ。個人的な感覚からすると、ようやくという感じが強いが、めでたいことでした。


蛙鳴(あめい)
発売元 : 中央公論新社
発売日 : 2011-05 (ハードカバー)
売上ランク : 61614 位 (AMAZON.co.jp)
¥ 2,940 在庫あり。
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もう一つのニュースは、安部公房の幻の初期作品が発見されたということ。こちらは、雑誌は入手したもののまだ読んではおりません。


新潮 2012年 12月号 [雑誌]
発売元 : 新潮社
発売日 : 2012-11-07 (雑誌)
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ベスト

ということで、ニュースはそれぐらいで、今年読んだ本から、私が最も印象に残った作品は、クロード・シモンの農耕詩(ブログはこちら)。


農耕詩
発売元 : 白水社
発売日 : 2012-01-27 (単行本)
売上ランク : 60619 位 (AMAZON.co.jp)
¥ 4,200 在庫あり。
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結構な難読書で、これを読むのに時間がかかってしまったが故に、今年は、文学作品は七冊しか読めなくなってしまいましたが、しかし、この作品はかなり堪能出来る作品で、三人の彼が微妙に交錯しながら、淡々としながらも子細な描写をベースに描き上げられた世界が圧倒的でした。


次点

次点は、シギズムンド・クルジジャノフスキイによる短編集「瞳孔の中」(ブログはこちら)。


瞳孔の中 クルジジャノフスキイ作品集
発売元 : 松籟社
発売日 : 2012-07-31 (単行本(ソフトカバー))
売上ランク : 179599 位 (AMAZON.co.jp)
¥ 1,680 在庫あり。
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カフカ安部公房を彷彿とさせる作風で、仮想的な世界観の中に哲学的でメタ文学的な文章が広がっていた。また、そこには人間の根源的な感情としての恋を中心にそえて、人間の感情をあぶり出す作品であった。


シリーズ

そのほかにも、今年も発刊が進んだ大型シリーズとして、トマス・ピンチョン全小説。残念ながら重力の虹は発刊されなかったので、2013年の楽しみということになりました。


トマス・ピンチョン全小説 LAヴァイス (Thomas Pynchon Complete Collection)
発売元 : 新潮社
発売日 : 2012-04-27 (単行本)
売上ランク : 141026 位 (AMAZON.co.jp)
¥ 3,780 在庫あり。
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もう一つは、レーモン・クノー・コレクション。ついに、代表作文体練習も発刊されたところですが、順調な発刊ペース過ぎて読むのが追いつきません。


文体練習 (レーモン・クノー・コレクション 7)
発売元 : 水声社
発売日 : 2012-09-22 (単行本)
売上ランク : 141909 位 (AMAZON.co.jp)
¥ 2,310 在庫あり。
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意外と

というところで、文学の世界は、低迷感が半端無いところはあるのですが、しかし、意外にも低調ながらも安定して、いろいろな渋い作品が多く出た2012年でした。電子ブックも普及し始めた2012年ですが、今後廃刊となった名作作品が電子ブックで復活するようなことが出始めるとさらに面白い展開になるだろうなって思います。