子供心的前衛芸術画家 元永定正 を新宿で見る



損保ジャパン

さて、新宿にある損保ジャパンビルの上の方の階にある、損保ジャパン東郷青児美術館にて現在開催されている 元永定正 氏の美術展に行ってみた。2009年2月22日まで開催。


具体

元永定正 氏は、関西の前衛芸術家集団である具体の作家の一人でもある。初期は、垂れ流した絵の具による前衛作品に始まり、中期以降は、絵本への絵の提供とも相まって、初期の力みなぎる作品とはことなり、とても平面的なのっぺりとした印象の作品を制作している。
そんな、元永定正 氏の初期から現在までの代表作を鑑賞できるのが今回の展示。


変遷

なので、この作家の作品の変遷を辿りながら、という鑑賞が出来る。
で、上記のように、初期から中期へと徐々に作風を変えながら、一方で、幾何学的な印象の形状や、どこか人間の形状を思わせるような意味不明の丸みを帯びた物体などには、一貫した特徴も感じることができる展示になっている。


子供

絵本への絵の提供がどちらが鶏で卵かなのだけれども、子供の要素をもった作品に、その大きな特徴が感じられた。前衛的な作品とどこかに小難しい哲学的な要素が絡みがちなのだけれども、そこには近づかずに常に、ユーモラスな物や自由な様子を保ち続けている作品であるのがすばらしい。ミロやピカソにみられる子供性よりも、より子供性が強いと感じた。


形状

で、しばしば登場する形状があって、それは初期にはたれ長された絵の具により形成されう曲玉にも似た形状から、そこから発展したのではないかと私が勝手に推測しているあまたで180度曲がった形状(とても言葉では説明できないので、検索してみてください。ちなみに、プログレッシブロックバンドのYESのロゴのなかの"Y"に似てもいる。)。今回は、中期以降の作品の展示が多かったので、特に後者の形状をしばしば見ることが出来るのだけれども、この形状の変遷が非常に面白い。


定型バリエーションではなく

この形状の変遷が、定型的なバリエーションを感じさせないのが、最も重要なところだと思う。自由に変遷していくあたりが、子供性というこの作家の重要な要素をさらに補強していると感じる。このあたりが、一切の作為を排除した自由な絵画という物を感じさせてくれて、それが、見る方への伝わり、自由さを伝えてくれている。堅苦しい理屈ばった作品も、私自身は好きであるが、こういった自由さもとても好き。
このあたりのことを改めて実感出来たので、今回のこの展示はとてもいい経験になった。


今回は、たまたま他の用事の隙間を縫っての鑑賞だったこともあり、朝に見たのだけれども、休日ながらかなりすいた状態で見ることが出来たので、とても満足。また、この朝の何とも言えない静けさがさらにこの場所では深まっていて、これまたいいものだと感じた。がんばって早起きして、美術館へ行くのも悪くない。


コクーン

ちなみに、この損保ジャパン美術館はかなり上の方の階にあるので、新宿のあのコクーンタワーを間近に見下ろすことが出来て、これまた面白い光景を見ることが出来て、おまけの楽しみにもなる。


関連リンク:
SEUNZE.com -> dzd12061 -> SOMPO JAPAN MUSEUM OF ART -> 詳細情報
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