アネット・メサジュ 六本木森美術館



お人形と

フランスの現代美術作家、アネット・メサジュの展覧会が、六本木森美術館にて開催中で、2008年11月3日まで。
わたしも、この作家の作品を見るのは、これが初めてだったんだけれども、人形と生物を多用した作品が特徴的な作家。


生命と非生命

生物の剥製にかぶせたれた人形のお面、操り人形のように、機械仕掛けでなんとなく動く、人形たち、つり下げられて、くるくるとまわっている人形たち、壁に並べられた人形の断片たち、手のひらに書かれた手のひらと一体化した絵、胎動する赤い布、空気によって膨らみ縮みする形状たち。
そこに展示されている物は、いずれにせよ非生命であることには間違い無いのだけれども、例えば、剥製のように、履歴としての生命を保持していたり、機械仕掛けのように、動きによって、生命的であったり、一方で、生命体である人間の部分のその形状によりそうように描かれた絵は、その生命と連結しているようで、人工的なようで。


しかし

それらは、いずれにせよ、非生命であって、ただ、その形状が、その動きが、生命との関連性をわずかに示唆するだけ。だけれども、例えば、機械仕掛けであれば、その滑車のきしみ音が、その空気圧の調整弁の音がむしろその場を支配してしまって、そう、いずれのものも、それは恐らく狙いなのだと思うのだけれども、不完全さがあって、その破綻が、なんとも強い虚しさを感じさせる。それは、それらが非生命であって、存在しながら、非存在を感じさせる空虚な物であるからなのかもしれない。
一見、その人形のあどけなさを、そして、展示の華やかさを感じさせるのだけれども、見終わると、なんとも弱漠とした気分に支配されてしまっていた。


関連リンク:
MORI ART MUSEUM アネット・メサジェ
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