強い色彩を浴びることの出来る 蜷川実花展 は今日が初日でした



オペラシティー

東京は、初台にあって、副都心線と都営新宿線をうまく使うと意外にアクセスが良くなっているオペラシティーにあるアートギャラリーにて、本日2008年11月1日から展示が開催された蜷川実花展-地上の花、天上の色-に行ってきた。12/28日まで。
ちなみに、蜷川実花は、お花や金魚などを強烈な色彩の写真におさめた作品が多い写真家。


初日

初日に行くことは、今回が初めてだったのだけれども、初日って、(初日だけじゃなくて初日からしばらくはかもしれないけれど)、いろんな人から贈られたお花が飾られているのですね。この美しいお花が、また、今回の展示と見事にシンクロしていて、なんだか少し得した気分。


強さ

で、展示。少し前に公開された映画 ”さくらん” を気になのか、それを前後して、よく蜷川実花さんの作品を見る機会が増えて、いくつかの展示ではすでに見たことがあって、その強烈な色合いの写真にとても強い印象を受けた記憶は残っていたのだけれども、こうやってまとめてみるのは、初めて。
まずは、花の写真からで、これは代名詞ともとれるともおもうけれども、これやっぱり強い。色彩がとても強いためでもあるのだけれども、これだけ堂々と主張されると、善し悪しを超えたすごみというのか、それこそ、その作品そのものの強さに納得しないではいられない。さらに、この面白さは、その色の強烈さの反面としてその境界線の曖昧さが出ているところ。これは物理的に当然なってしまう事なのかもしれないのだけれども、これが見事に現れているのが、さらに印象深い。強い光を当てれば度を過ぎるとかえって見えなくなるが如くで、物がもつ属性が形状であるのか色彩であるのかというところに迫りながら、強い印象を残す作品群。


金魚

初期の作品群をぬけると、もう一つの代名詞的な対象である、金魚の作品。このむしろ愛らしさであるはずの対象が派手な対象として露出してくるのが、これもまた強烈。


旅から造花

それから、少し趣向を変えて、旅の風景。壁にかえられた作品と非常に小さなピースの作品を敷き詰めた3っつの旅固まり。
そして、造花。そう、花ではなく造花。非生命の永遠性。接写するとその造花であるが故の繊維が際だって見えてくるのだけれども、それでも、強い色合いで表現されているところが、その対比。


芸能人

芸能人たちのポートレイトが一つの部屋と最後の通路に展示されている。この辺は、まぁ、こういう活動もあるというところ。あの人がこう表現されているなどという楽しみ方もある。


そして新作

そして、新作。この新作が多くの事を物語っているようでもある。ここでは、非常にバリエーションに富んだ大小の作品が並べられているのだけれども、そこに感じるテーマは、生命と非生命、もしくは、誕生と死と言ったところ。結局何が生命的なのか。卵、赤ちゃんだけれども、人形であるとは。売られている肉や魚は。これらもまた強烈な色彩と接写で表現されている。生命的であることはグロテスクである。
強く主張することが全ての矛盾を乗り越える唯一の手段だとしても、それでもその矛盾からは逃れられず、どこかに影を引きずり続けて、しかし、その何に引きずられているかが、むしろその作家の作品を特徴付けるのかもしれない。


全てを見て

全てを見た感想としてまず感じるのは、作品の強さ。そして、その限界まで引き出された色彩が、そうであるが故におこる、ピントのずれなどなどの現象から曖昧化する輪郭、つまり、対象。派手な色彩であるのだけれども、色の数は限定されていて。その単純だけれども、強烈な印象が目に焼き付く。
そして、それらの作品には影が存在しない。影が吹き飛んでしまうほどの接写であり、色彩。いや、影が完全にないわけではないのだろうけれども、影の存在を感じさせない。その行きすぎた感じが、なんとも表現しがた印象として残る。
さらに、感じるのは日本的な感覚。近年、日本的なものを新たな解釈で表現する作品をよく見るけれども、その系譜に入れるべきではないと思うのだけれども、ただどこか日本的なものを感じるのは、私だけだろうか。そのなんとなく、いやらしさのような感じもこの色彩の過剰感と相まっているからいいと感じることが出来る。個人的には、他の作家の日本的な作品って、なかなか受け付けられないのだけれども。


ということで

有無を言わさないところが、どうにも凄くて、一方でどうにも悔しくてと、そんなことを思ってしまうのだけれども、なかなか面白い世界感なので、結構お勧めの展示です。


関連リンク:
蜷川実花展|東京オペラシティアートギャラリー
SEUNZE.com -> dzd12061 -> 次回展覧会「蜷川実花 展」|東京オペラシティアートギャラリー -> 詳細情報
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東京オペラシティ アートギャラリー
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