オペラシティにて、ドミニク・ペローという建築家の展示



ドミニク・ペロー

現在、オペラシティのアートギャラリーにて開催されている展示、ドミニク・ペロー展に行った。
この人ドミニク・ペローさんは、フランス人建築家で、この人の作った建築に関するドキュメンタリーのような映像と、模型・図面が展示されている展示。
建築系の展示を得意とするオペラシティらしい展示だけれども、いつものような凝った展示ではなかった。


映像の間

展示は大きくわけると三つのパートで、前半と後半、そして、おまけという感じ。
前半が、映像コーナーで、現在までの建築作品の建築中の風景や、できあがった跡の情景などをドキュメンタリーのように納められたものが、大きく5点と、さらに小さな5個のモニターに映し出されるもの。たぶん、まともに見ていたら相当時間ががかかると思う。私は、適度なスピードで少しずつ堪能しました。


模型と図面の間

続いて、現在までの建築作品から模型などが5つのテーブル上で展示されて、その周りの壁面に図面が張り出されている。実現したものもあれば、コンペに出したけれども残念ながら敗北したものもあり。また、構想から完成までの変化の過程を知ることの出来るようなものもあり。
こちらの方が、当然、しっかりと建築を楽しめる。


メモと冊子の通路

最後は通路の部分に片側の壁には、構想段階に描かれた手書きのメモ画と、もう片側の壁には、作品集などの冊子。
手書きのメモは、結構興味深い。このようにイメージが生成されて、そして、形になっていくのだと。


建築スタイル

最近は、大胆な建築が多いけれども、この人のものもまた大胆。ただ、私の感じたところでは、その大胆さが、とても幾何学的。そして、その幾何学的な様子は、そのオリジナルの土地の形状や、周囲の環境を参照している。なので、独特な形状で目を引くものではあるのだけれども、しっかりと都市の中に溶け込んでいくものでもあるのではと感じた。副題にある、都市というランドスケープというのは、まさにそのとおり。
もちろん、それが実際に建っている様子を見たわけではないので、あくまでイメージですが。


富国生命ビル

日本では、現在大阪の梅田に富国生命ビルが新しく建てられているのだけれども、それが、ドミニク・ペローの作品らしい。もう、関西を離れて久しいこともあって、梅田の富国生命ビルが再建されていること自体をこの展示で初めて知った。そこに現在新しくビルが建っているという。ちょうど、そろそろ完成したぐらいなのかな。
このところ、再開発が活発な梅田地区を彩るもう一つの建築物となるのか。しかし、計画当初はバブルの気配だったろうけれども、現在の景気を考えると、梅田は、開発しすぎたのではないのかと、思わず、現実に引き戻されるような思考に陥ってしまった。


玄人向け?

冒頭にも書いたけれども、オペラシティは建築系展示が多い。しかも、それが凝ったものが多かったので、今回のものは、オーソドックスな展示だったので、なんとも、ちょっと残念だった。こう、建築を肉薄して感じることの出来るような、そんな展示ではない。
ただ、オーソドックスな展示であるぶん、本当にじっくりとこの人の建築を知ろうとするような鑑賞にとっては、むしろ都合がいいと思う。模型と図面の展示においては、それぞれのテーブルごとにテーマがあったりもするので、そのタイトルも参照しながらみると面白いのでは。
ちょっと玄人向け展示であるようにも思う。


関連リンク:
ドミニク・ペロー 都市というランドスケープ|東京オペラシティアートギャラリー
dLINKbRING.Labo.dicmulsearch.ドミニク・ペロー
関連サーチ:
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