インドの女性写真家ダヤニータ・シン展を見てきた



資生堂ギャラリー

なんか、最近タイミングがなくて、行っていなかった銀座の資生堂ギャラリーの近くを通りがかったら、ちょうどインドの女性写真家ダヤニータ・シンの展覧会をやっていたので、久々に覗いてみることにした。


変容

この作家のイメージを言葉に表すと変容と感じた。もともと、写真というのは、ある現実を切り取ることで変容させて表現することではあるのだけれども、その変容の要素をより強く感じる。
例えば、ユーニック(去勢された男性)を敢えて取り上げたり、夜の風景、青を表現するフィルムを使うなど、元々ある状況をむしろひっくり返して表現しているとも捉えることが出来るのではと感じた。


開かれ

そもそも、美術を感じ取る行為というのは、脳を開かれの状態に持ち込まないと困難である。日常の価値観から解放されて、そして、一度、意味から距離を取って、そこにある空間の空気に身を晒す。すると、脳が開かれの状態に変化していき、その展示の示す価値世界がすっと脳の中に入り始める。この状況を生むことが出来るか、また、その状況を生むに足る力を持った作品が適切に展示されているかということがその展示の力になる。


そして

そして、その開かれの状態で感じると、この展示で展開されているその変容の意味がより入り込んでくる。価値は一度解放されるとその極北の位置で相対する概念が近接して、そして、それらの価値が消え去って、そこからまた新しい価値が再起してくる。
作品に自ら疑問を感じて、否定してからそこから新しい作品を作り上げているダヤニータ・シンの作品にはその要素を感じる。
また、どこにも根を落としていないからこそどこにでも根を下ろしているともいえるというような内容の言葉が引用されている作品もあったが、それこそ極北の位置で相対する概念が近接して消尽するまさに象徴的な言葉とも感じた。

関連リンク:
展覧会案内|SHISEIDO GALLERY|資生堂
Dayanita Singh - Wikipedia
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