原美術館で、ジム・ランビー



空間

空間ごと作品にしてしまう芸術家、ジム・ランビーの個展が原美術館で開催されているので、行ってみた。


確か・・・

記憶が間違ってなければ、ジム・ランビーの作品は、2年ぐらい前に、東京オペラシティで見たことがあって、そのときも、巨大空間の床をテーピングによる幾何学的模様で埋め尽くすことで、空間を変容させていたのだけれども、今回の原美術館の展示では、同様の手法を用いて、展示空間だけではなくて、廊下から階段に至るまでの床をテーピングで変容させている。


日常の改造

まぁ、ありきたりな反応だと思うのだけれども、この日常を変形させるというのが、この作家の大いなる特徴と言っていいのだと思う。いくつかのオブジェなどにしても、ごく普通の日常の物をペインティングや加工などによって、原型を残しながらも、その本来の物とは異なる状態に変化させられて展示されている。また、先述の床のテーピングにしても、通常の四角四面の空間が歪んでいるかのように、そして、ポップな雰囲気に変化している。
この変形した空間がとても楽しい作品群。


壁との距離

そして、今回の展示もそうだけれども、彼の作風もあって、展示作品が壁に掛けられているわけではなく、むしろ中央におかれていたりする。このことによって、壁との距離感が普通の展示とは異なって感じられるのが面白い。壁に作品が掛けられていると、どうしても、壁との距離をある程度保つことになる。だけど、今回の展示は逆なので、むしろ、壁へ接近したくなってくる。このあたりの鑑賞スタイルの変化もとても面白くて、壁に近づくが故に、空間も広く感じられてくるのが面白い。自分の部屋も、壁際ばかりにものを置くから狭くなるのであって、ちょっと壁を解放したら・・・って思ってみたりするが・・・。


あっという間

作品がいくつもあって、じっくり鑑賞するというよりも、テーピングされた空間を楽しむという感じが強い作品なので、思いの外、あっという間に鑑賞が完了してしまったけれども、このいつもと違う空間を感覚にたたき込まれるというのは、大いなる気分転換になって、すばらしい体験だった。


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