「テザ 慟哭の大地」というエチオピアを舞台にした映画を見た



エチオピア

シアターイメージフォーラムで上映している「テザ 慟哭の大地」という映画を見た。
この映画は、エチオピアを題材にした映画で、ヨーロッパに学びに行った後に母国の村に帰ってきた男が主人公のもの。
エチオピアの政治的な状況の変化が話題の中心にあって、私自身は、エチオピアの政治に関する知識を持ち合わせていなかったので、この映画を通して、知った部分もあり。



様々な

この主人公は、様々な苦しみをくぐり抜けることになる。医学を学んだヨーロッパでは、母国の独裁を批判しながらも、意気揚々と生きる。しかし、そこには、黒人に対する差別が裏側に密やかに感じられる。
そして、ヨーロッパで学んだいわばインテリとして、医学により国の人々を助けるという強い意志の元に帰国するのだが、革命前夜の混乱した政治状況に巻き込まれて、次第に、苦しい立場に追い込まれる。
結局東ドイツへ戻ることになるわけだが、そこでは、今度は当事者として人種差別の渦に巻き込まれて、結果的に重傷を負うことになる。
そして、障害を残したまま生まれた村へ戻ることになる。しかし、そこは古くからの慣習が深く残る村。肉体労働のためには役に立たない自分獅子異の存在。そして、村に残る男女差別的な状況や原始宗教的な儀式。そのなかでもまた、苦悩を感じる。
しかし、希望は。それは、主人公が、ヨーロッパでは持つことの出来なかった家族を持つことができたという結末に集約されるのか。


どこにでも

そう、それは、どこにでも、それぞれの苦悩があると訴えているようでもある。先進国と呼ばれる場においても、新しい社会を作ろうとする場においても、そして、古くからの伝統が残る場においても。
その矛盾の中にいるのが我々の存在であるのか。そして、結局そこにある数少ない安らぎは、それは、家族や仲間といったもののみということか。


少々

映画的には、少々いろいろと盛り込みすぎているような気もするのだけれども、アフリカという場であるが故に、上記のような様々なレベルにある場を表現しえていると言うことでもあるように思う。
そういう観点をえるという意味でも、面白い映画だと思う。

関連リンク:
映画『テザ 慟哭の大地』公式サイト
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