奇才 Devin Townsed による Deconstruction は想像を大きく超えていきます

Devin Townsend Project

さて、超奇才なミュージシャン、Devin Townsend は、メロディアスであったり、メロウであったり、馬鹿テクであったり、馬鹿であったりするサウンドがとても魅力的で、私の大好きなミュージシャンの一人でもある。
そんな Devin は、最近、Devin Townsend Project という活動をしていて、今までに、「KI」と「Addicted」の2枚をリリースしている。そして、今回は、「Deconstruction」と「Gohst」という2作を同時リリース。これで、予定の4部作はとりあえず出そろった形になる。

それぞれ

で、このシリーズの面白さは、それぞれのアルバムで異なる音楽スタイルのサウンドを展開しているところ。「KI」では、ジャズ的な風味も聴かせながら大人なロックを展開して、今までの彼のイメージとは違う側面を見せつけた。つづく、「Addicted」では、女性ボーカルも大々的に起用しながらポップなプログレメタルを展開して、Devin の一つの魅力であるメロディセンスを存分に発揮してくれて、とても楽しいサウンドとなっていた。

Deconstruction

そして、待ちに待ったこれらに続く作品、「Deconstruction」と「Gohst」だが、これがまた両極にあるようなサウンド。今回は、この二つのうちの「Deconstruction」のほうをとりあげる。

スペースオペラメタル

今回の作品も、当然前２作とは異なる作品で、言うなれば、スペースオペラメタル。彼の過去作で言うと、Ziltoid the Omniscient のイメージに近い。
で、おそらく、全体を通したストーリーがあるような気がするのだけれども、もう一つ捉えきれていない。というか、この作品、とにかく彼の才能が発散されまくっていて、ストーリーのみならず、サウンドそのものも全く捉えきれないというか、聴いているとその非常にテンションの高いプログレメタル的サウンドの緩急に翻弄されてしまって、何がどう展開して行っているのかどうもつかみきれない。

はちゃめちゃ

言うなれば、はちゃめちゃ。もちろん、いい意味で。いつも通りに、隙間無く埋め尽くされた怒濤のサウンドが、重厚なコーラスや、強烈なリフや、ドラミング、そして、オーケストラで構築されている。そのテンションの高い音の壁に、時に語りも含まれる Devin 特異の様々なボーカルスタイルを使ってのボーカルが乗っかっている。本当に聴いていてとても楽しいサウンドで、しかも、展開がめまぐるしく変わって、ちょっと大げさなクラシカルな印象の展開もあったり、メロディアスな展開があったり、メロウな展開があたりと、まさに Devin の持つ音幅を存分に堪能出来る作品。

変態です

そして、とにかく変態的なサウンドです。奇才というしかない。おそらく、メタル的なサウンドではあるのだけれども、あまりにもの想像力の豊かさに、普通の人が聴いたら、確実に引く気がします。しかし、これがまさに、Devin の魅力であるが故に、ファンにとっては、もうたまらないサウンド。

炸裂

特に、その魅力が炸裂するのが、4曲目：Planet of Ape 。この曲の構成といい、拍子といい、一体なにがどうなっているのか、さっぱりわからないのだけれども、とにかく、楽しいサウンド。途中に出てくる背景はヘヴィーなサウンドの上に乗っかるコーラスサウンドな展開なんて、他でこんなサウンドを構築できる人なんていないでしょうと思ってしまうほどの奇想天外なサウンド。そして、何よりも凄いのは、奇想天外な感じなんだけれども、サウンドとしては小難しくなくて、とても楽しいと言うこと。
あとは、タイトル曲の Deconstruction でなんで、 Cheesebureger って歌いまくってるんだっていうその、意味不明さ。いや、ちゃんと理解すれば、ちゃんと意味があるのかもしれないけれども、その意味が今のところ私には全くつかみ取れておらず。だけれども、やはり楽しい。