各地で絶賛との噂の Sean Filkins のソロデビューアルバムを聴いた



Sean Filkins

Sean Filkins は、Big Big Train の元ボーカリストとして知られる人物。といいながら、私自身は、噂に聞きながらも、Big Big Train のアルバムはまだ聴いたことがないので、そこでの活躍具合がどうだったのかは知らない。そんな、Sean Filkins がソロデビューアルバム War and Peace & Other Short Stories をリリースして、これがなかなか絶賛ということなので、早速聴いてみることにした。





王道的

サウンドの傾向は、ポンプロックと呼ばれた陣営が作り上げてきた音のイメージに近い。そのなかでも、Pendragon のイメージも近くて、柔らかいメロディーに、味わいのあるやさしい歌声が乗るようなそんなサウンド。また、メロディーもきらびやかなキーボードサウンドがところどころ目立っていたりする。なので、ここのところのヘヴィーロックやメタルやポストロックの影響までも混じり込ませたサウンドを作るプログレバンドの音とは異なり、王道プログレサウンドを作り上げている。


大作指向

作品は、大作指向。コンセプトになっているのかどうかまだちゃんと歌詞を読めていなくてわからないのだけれども(たぶんなっていない)、Part1 と Part2 併せて約30分の曲や、イントロからの壮大な展開を持つ役20分の曲を含む全6曲構成(1曲はアルバムのイントロ的なものなので、実質は5曲)。


サウンド

サウンドのほうも、大作指向的といのか、表現が壮大。エモの影響もあってか、ポップに切れ味鋭くまとめ上げるようなメロディーラインを使うバンドも昨今は多くて、それはそれでかなり好きなのだけれども、このアルバムは、そういったキラー的なメロディーラインはあまり使わない。
むしろ、その構成の大作指向ぶりと同列で、表現も壮大という印象。大作の中でサウンドを少しずつ展開していって、徐々に全体を盛り上げていく壮大さが特徴的。特に、きらびやかなキーボードの音色が前に出て盛り上げるサウンドが印象に残る。


じっくりと

そんなサウンドなので、一気に虜になるという感じよりも、聴き込むと徐々にそこに染まっていくという感じが強い。とても情緒豊かな表現がなされたサウンドは、浸るにちょうどいいかもしれない。とくに、キーボードサウンドのちょっと過剰な感じが印象的なので、キーボードサウンド好きには溜まらないのでは。曲の中のパートによっては、ちょっと変則的な拍子使いもするので面白い。


叙情

いずれにせよ、叙情派王道プログレサウンドなので、プログレメタル系のリスナーには、ちょっとインパクトが弱いかもしれない。昔からプログレを聴いてきていて、ポンプロック系サウンドにも懐かしさを感じるような人にとっては、この作品はとても味わい深いだろう。
この何とも言えない優しいサウンドが、時に刺激的なサウンドよりも、むしろ必要な時もあると思う。美しい叙情サウンドです。
特に、6曲目の哀愁は、見事にアルバムを締めくくります。


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