Paatos の完成度の高い幽玄的美 「Breathing」



はじめに

未曾有の大震災に見舞われたと言葉で書くと時に安易に感じるときもあり、その言葉のあまりにもの限界性をも痛感させられる地震東北関東大震災のその影響が全く落ち着かないままの状態ですが、むしろ、あえてここで、いつも通りの内容でブログを再活動いたしたく思います。


Paatos

今回紹介するのは、すでにその筋では定評のあるスウェーデンのバンド、Paatos で、2011年の新作 Breathing。
そこまでっていいたくなるほどの暗鬱なサウンドと歌詞で、あまり聴き込むと実際に落ち込んでしまいそうなほどの幽玄さを演出するバンドが、Paatos。
特に女性ボーカル Petronella Nettermalm は、声を張ってエッジのある声をで歌うのではなくて、ささやきのような印象を持たせるエッジの柔らかい歌い方をするので、サウンド空間に独特の落ち着きが産み出される。
そんな世界が、この新作でも炸裂しております。





Breathing

アルバムの内容。これが、また完成度が高い。今までの幽玄な世界は踏襲しつつも、少し明るめの印象の方へシフトしたサウンドのようにも感じる。ただ、歌詞はやっぱりなんか重い。
各曲は5分程度と短いながらもそれぞれの曲は、明確にそうとは感じさせないながら、拍子使いをずらすなどの技巧を使ってきて、そこに生じる微妙なずれの感覚がまた、その幽玄とした世界の揺らぎの印象を深めている。このあたりの曲展開はもう、さすがという感じ。


リズム隊

特に印象に残ったのはドラム使いとベースラインで、つまりリズム隊。ちょいと拍子をずらしながらと前述したけれども、それだけではななくて、ドラムのたたき回しや時にトーンを上げるベースラインなんかも、とてもかっこよくて、緩やかな曲ながらも疾走感を感じさせたり、混沌を演出したり、全体の重さを作り出したりと、リズム隊の活躍が随所に感じられ、それによって曲の幅が広がっている。
だから、幽玄と何度も書いたけれども、ただ、どんよりしたサウンドではないのです、この Paatos サウンドは。適度の激しさを感じさせるサウンドもあるし、どこか歌謡曲的な印象をさせる曲もある。そして、それらを女性ボーカルと全体の幽玄さで Paatos 色に色づけてあるという感じ。
なので、アルバム全体を通しても、曲毎に緩急が感じられるので、聴き応えがあって、完成度の高さを感じさせる。


代表格

Anglagard あたりから勃興した北欧幽玄サウンドプログレだけれども、そういったタイプのバンドの中で現在現役というくくりをすれば、もはや Paatos は、最高峰のバンドといっていいと確信させてくれるすばらしいアルバムです、この "Breathing"。おすすめです。


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