日本初?のプログレフェスを見に野音に行ってきた



Progressive Rock Fes. 2010

夏フェスというと、超メジャーどころをはじめとして、今や非常に様々なジャンルや規模で開催されるようになっていますが、そんななか、ついにプログレという、ある意味特異なジャンルの音楽においても、フェスと銘打ったライブイベントが開催されました。
Progressive Rock Fes と題されたそれで、2010年8月22日は日比谷野音にて。


やっぱりいくことに

このフェスが開催されると知ったときには、これは是非ともいかなければと思っていたのだけれども、その後演奏バンドが発表になると、実は、私自身のテンションは一気に下がってしまっていました。
今回の参加バンドは、四人囃子、Renaissance、そして、Steve Hackett Band の3バンドだったのですが、これ、どのバンドも私個人的には、あまり思い入れが強くないバンドであったというところ。
で、当初はいかないでおこうかと思ったのですが、しかし、日本初のプログレフェスには、やはり参加しなければと思いつつ、さらに、単独ではいかないようなバンドだから、かえってフェススタイルの方がいい機会かもと思いぎりぎりで参戦を決めました。


四人囃子

そして、野音での当日。残暑厳しい日々のなか、4時開演というのが、これが、まだ西日が強く差し込む時間。駅から野音までの徒歩によって発生した熱量も十分に発散仕切れぬままに、席を確保。しかし、これ、私の席がちょうど西日直撃の場所で、陽光にさらされているだけで汗がだらだらと流れてくるし、太陽の方向とステージが同じ方向なので、まぶしいったらありゃしないという事態。そんななか、四人囃子の登場とあいなって、しばし、この暑さに耐えながらの観戦。
実のところ、四人囃子の曲はほとんど聴いたことがなくて、どんなバンドなのかさえよくわからない状態。そんなところもあって、ほー、こんな音を出すバンドなんだなー、不思議な歌詞っぽいなー、などなどと思いながら比較的緩い感じで聴いてました。ボーカルの入るパートが比較的雰囲気があって、インストになると結構タイトになる。ギターとキーボードの音が適度な割合で主張しあっていて、とてもバランスのとれたアンサンブルという印象。私のいた場所のせいか、ベースの音がいまいちよく聞こえなかった。


Renaissance

ようやく、西日がビルの谷間に隠れかけてくる頃合いで、Renaissance の登場。キーボード二人を含む、6人編成に現在はなっていた。オリジナルメンバーといえるのは、今や Michael Dunford と Annie Haslam のみだと思う。で、Renaissance もCDこそ、それなりに持っているのだけれども、私はそれほど愛着を持って聴いていなくて、どのアルバムにどんな曲が入っていたかなどなどはあまり正確に記憶できていないレベル。なので、セットリストも全くわかりませんが、間のMCの感じからすると、新作から数曲と、全盛期の頃の曲による構成だったみたい。
なんといっても注目は当然、 Annie Haslam のボーカル。最近は、女性ボーカルバンドは結構存在しますが、70年代プログレ界ではそれほど多くなくて、当時のプログレ女性ボーカルの代表格なのがこの人。
今や結構なお年なのだと思うのですが、しかし、声は、とても美しかった。高音まですっきりと伸びるボーカルはすばらしい。それに加えて、周りのメンバーの演奏と、そして、コーラスワークも美しくて、このバンドの特徴であるクラシカルで、フォークがかったロックサウンドが見事に展開されていた。


Steve Hackett Band

そして、すっかり陽も暮れて、むしろ涼しささえも感じさせてくれるような風が吹き抜けるようになって、ライティングも映える夜の到来。それまで蝉の鳴き声が野音の周囲をうずめていたのが、徐々に虫の鳴き声に変化しつつある頃、 Steve Hackett Band の登場。こちらも、6人編成バンドで、サックスなど管楽器担当がいるのと、ギターがもう一人いる構成。
Steve Hackett のほうも、Genesis 時代以降は全くといっていいほど追いかけていないので、ほとんどよくわかりません。今回の演奏メンバーも普段からよくやっているメンバーなのか、今回特別に編成したのかもよくわかりません。なので、セットリストとなるとさっぱりさっぱり。
というところなので、曲を楽しむというよりは、演奏そのものを楽しむというところ。途中、Genesis の曲もやるという楽しさもあったけれども、そんなことよりも、やっぱりギタープレイです。派手なアクションをするわけでもなく、ただひたすら地味なアクションのなかで、しかし、味わい深くてしっかりとしたギター演奏を繰り広げる Hackett。周りのメンバーもこれまた、しっかりとした演奏なので、切れのあるアンサンブルが楽しめるライブでした。で、こちらのバンドも、歌えるメンバーがそろっていて、ボーカル曲ではコーラスも美しく決まっていた。


そんなところで

そんなところで、各バンド1時間前後ずつで、セットチェンジ含めると4時間くらいのライブが終了。まぁ、いわゆるフェスとは少し違うのかもしれないですが、この企画悪くなかったと思う。何よりも、ポスターデザインなどに、Roger Dean を使うという気合いの入れようはさすが。個人的には、思い入れの強いバンドではなかったので、まったりと楽しんだというところでしたが、しかしよかったです。
途中MCで、これは来年もきっとありますよといっていたので、来年も開催されることを期待しています。


関連リンク:
プログレッシヴ・ロック・フェス2010
HackettSongs - Steve Hackett Official Website
Renaissance
四人囃子オフィシャル・ウェッブ・サイト
関連サーチ:
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