Rush の足跡を追うドキュメンタリー「Beyond the Lighted Stage」

Rush

カナダ出身のベテランロックバンド、Rush。その音楽は、世界中では広く評価されているのだけれども、なぜか、ここ日本では、あまり広くは人気を獲得できていない。そんなこともあって、来日公演の噂までは立てど、結局来日ライブは夢のまた夢な状態でもある。
そんな Rush の足跡を追ったドキュメンタリー映画が、今回紹介する「Beyond the Lighted Stage」。ただ、こちらも残念ながら、日本では、劇場公開はなく、DVDがリリースされるにとどまってしまった。
ということで、我が家で細々と鑑賞いたしました。

ドキュメンタリー

この作品、Rush の結成当初から、成功までの道のり、さらに、その後現在に至るまでを、アルバムを順に追いながら、描いています。
彼らの音楽性が少しずつ変化を遂げながら、時に、それが大きな飛躍のきっかけとなったり、一方で、一部のファンからは失望されるようなことがあったりという様子が描かれている。
さらに、単純に彼らの足跡を追うだけではなく、現在活躍する多くのミュージシャンや彼らのファンのインタビューなども取り込まれているので、それぞれのアルバムがどう受け止められていたのか、というところがよくわかる。また、それと同時に、いかに多くのミュージシャンに彼らが影響を与えているのかということもまた、認識できる。

後追い

私自身は、Rush は、後追いファンなので、ここ最近の活動しかリアルタイムでは知らなかったので、非常に興味深い作品でした。特に、アルバムを追うごとに音楽性を変えていくあたりの葛藤であったり、チャレンジであったり、時代の変化であったり、私生活での事件の影響であったり、というところへの言及が非常に興味深かった。
過去の作品については、あまりアルバムとしてじっくり聞き込めていないものも多いので、改めて、じっくり聞き込んでみたいとさえ思った。

仲良し

あと、このドキュメンタリーで感じたのは、古くからの友達でもある Geddy Lee と Alex Lifeson の仲良しっぷりと、その明るさ。その一方で、オリジナルメンバーではない、Neil Peart が、しかし、独特のスタンスで彼ら二人と接しているという感じが、非常にいいバランスなんだなってところ。
さらに、Neil Peart がこの二人に合流したというのは、なんというか、奇跡なんだろうなって思う。少し味わいの違う人物が絡むことで、このバンドがとどまることを知らない進化をしていくことができているのだと。