遂にキタ、Coheed and Cambria の新作！

珍味

さて、ここ最近のバンドの中では、私が最も入れ込んでいるバンドの一つ、Coheed and Cambria。見た目は、グロテスクで、一口食べてみると、違和感の固まりなのだけれども、一度それに嵌ってしまうと抜け出せないという珍味的な味わいのバンドとして、私は嵌り込んでいます。

Year of the Black Rainbow

そんな、Coheed and Cambria の2010年新作アルバムで、5枚目の作品にあたる Year of the Black Rainbow を早速入手した。
今回の5枚目は、今までの作品と同様に、一連のSF的ストーリー ”the Amory Wars” の流れの中にある作品なのだけれども、その序章部分にあたるところを描いた作品。

より複雑に粘着質に

音のほうの印象。一聴した時点で感じたのは、今までの作品に比べて、ヘヴィーさが増して、さらには、複雑さも増しているというところ。とにかく、音数が多くなっていて、しかけに満ちている。そして、そのど真ん中を、Claudio の粘着質で若干かわいげな独特なボイスが突き上がってくると言う、エモーショナル度が天井を突き抜けていく展開は、もう、多分好きでない人からすると、なんだこれってところなのだろうけれども、既に嵌りまくっている私にとっては、これ、溜まらないサウンド。

とにかく

で、とにかく、これ、いいんですよ。とにかく、とても、いいんですよ。5曲目の "FAR"なんて、正に Coheed サウンドの典型だし、そこから連なる、6曲目 "This Shattered Symphony" もこれ、ヘヴィーな楽曲でこれはこれでいいし、そこから、さらに加速した8曲 "Woｒｌｄ Lines" へと、しかし、一転彼らのもう一つの良さであるアコギなバラッドが、9曲目 "Pearl of the stars" 。いや、上げだしたらきりがない。
とにかく、今まであった、Coheed and Cambria のそのらしさであるポップさと複雑さに奇妙さの入り交じったSFプログレエモサウンドは健在だし、そこにさらに、ヘヴィーであるとかスピーディーといった色合いが入り込んできていて、そのことによってアルバム全体の流れにいい具合の緩急がついて、粘着質ポップサウンドがさらに引き立ってきている。

いいんです

それに加えて、プロダクションの良さなのか、アレンジのレベルアップなのかよくわからないけれども、音もとても多彩で、アルバムとしての完成度も高い。
ってところで、壮大な雰囲気を持ったオープニングから始まるこのアルバムは、渦に巻き込まれていくような雰囲気の中でフェードアウトしていく。
個人的には、万人に勧めたいほどの気分なのだけれども、やっぱり癖のあるバンドなので、万人受けはしないんだろうなっては思う。
と、思うのだけれども、とてもお薦めなので、変形ポップメタルが許せそうなひとは、怖いもの見たさでトライしてみてください。

ちなみに

ちなみに、今回の作品も、いくつかのタイプでリリースされていて、私は、本とDVDがついたデラックスなボックスセットを入手しました。DVDの方は今のところ未試聴だけれども、ドキュメンタリーを中心としたもの。そして、本の方は、当然、このアルバムが題材にしているところの、”the Amory Wars” の序章にあたる。まぁ、これ、当然英語で書かれているので、読むのが大変なのですが、というか、実際これ読むのか？あっ、それから本編のCDの方にも2曲ボーナストラックが入ってます。

サマソニ

そんな、Coheed and Cambria は昨年衝撃の来日を果たしましたが、残念ながら、がらがらな客入り。それにリベンジということなのか、今年は、なんと、サマソニに出るという。しかし、この衝撃的なバンドを間違ってでもいいから、見てしまう人たちがいて、そして、そのうちの幾人かは、嵌ってくれるかもしれないと、淡い期待を持っています。
それ以上に、私は、このバンドのためだけでも、サマソニに行きたいと少し思ったりしてますが。

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