ガブリエル・ガルシア=マルケスの半生、”生きて、語り伝える”



ガルシア=マルケス

コロンビア出身のノーベル賞作家、ガブリエル・ガルシア=マルケスは、マジック・リアリズムとしょうされる現実を寓話的に拡張して、現実とも夢とも思える独自の世界を描き出す文学者。
そんな、ガルシア=マルケスが自信の半生を描いた自伝、”生きて、語り伝える”の日本語訳が出ていたので読んでみた。


事実

彼が、まだ作家としての成功を手にする前の、ジャーナリスト時代を中心に描かれている作品。その中に、家族の話やジャーナリストとしての活動の歴史などが描かれているのだけれども、この全くの事実である世界が、実のところ、非常に波乱に満ちていて、そして、それは、彼の描き出している作品をも思わせるほど。それは、彼自身の文章の描きかた二もあるのだろうけれども、一方で、彼のその面白いマジックリアルな描写は、彼の人生そのものから生まれてきたということが理解出来る。


政治

一方で、その波乱の人生を作り出した一つの要因は、混乱した政治状況でもある。コロンビアの歴史というと、なかなか、通常では知ることは無いので、コロンビアがそのような状況になっていたのかと、世界史の一つの側面をこの作品で触れることも出来る。


ジャーナリスト

そして、その混沌の世界をジャーナリストして、生きる。時に文学をまっすぐ志し、時に文学への意欲を失いながら。
しかし、一方で感じるのは、やはり、才能が彼を導いたのではないかというところ。それは、自伝という形態であるが故に客観性にある程度欠いた文章であることを差し引くと、必ずしもそうではないのかもしれないとも思えるのだけれども、少なくとも、彼自身は、文学への才能が文学の道へ彼を導ききったと感じているのではないかと、文章における時に自慢的な表現の中に感じた。


面白いですが・・・

というところで、面白いですが、やはり、これは彼の作品を堪能しきった人向けの作品だと思います。
それと、どうやら、この自伝はどんどん続く様子で、続編も執筆中らしい。それは、それでやはり楽しみです。




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生きて、語り伝える
発売元 : 新潮社
発売日 : 2009-10-31 (単行本)
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