2008年の文学を自分のブログから振り返る



さて

さて、映画に次いで文学の2008年を大晦日に振り返ってみる。ただ、文学はたまたま私が今年読んだというだけで、2008年という時勢はあまり関係ないかもしれないです。


第一位

今年読んだ作品がどの程度あるのかは、余りよくわからないけれども、感覚的には20冊くらいかなって思う。
そんななか、第一にあげたいのは、エンリーケ・ビラ=マタスによる「バートルビーと仲間たち」。小説ともエッセイともとれない独特な文章構成によって構築された作品は、過去の比較的マイナーでありながらも、メタ文学的に無意味さを描こうとしてしまった作家たちを取り上げた悪品といえる。この文章構成も面白いし、メタメタ文学みたいな感じでとてもも白かった。


バートルビーと仲間たち
発売元 : 新潮社
発売日 : 2008-02-27 (単行本)
売上ランク : 52512 位 (AMAZON.co.jp)
¥ 1,995 通常24時間以内に発送
評価平均 : /3人
素晴らしきかな人間
同業者だけが興奮する作品
おもしろいけど、バートルビーは「仲間」を認めない・・・
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やっぱりガルシア・マルケス

そして、私の大好きな作家の一人ガルシア・マルケスは、「コレラの時代の愛」が映画として公開された。残念ながら、見てはいないのだけれども、文学作品としては、今年私自身は読んでみて、その作品の文学的な意味を超えたガルシア・マルケスの感情が非常に乗った作品でとても感動した。


コレラの時代の愛 (Obra de Garc〓a M〓rquez (1985))
発売元 : 新潮社
発売日 : 2006-10-28 (単行本)
売上ランク : 92382 位 (AMAZON.co.jp)
¥ 3,150 通常24時間以内に発送
評価平均 : /5人
心温まる読後感を持ったお伽噺のような物語
二つの愛の物語
入り混じりながら均一化されない
50年待ち続ける愛もさることながら、50年かけて築いた愛も胸を振るわせる物語
久しぶりの長編傑作だ
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残雪が世界文学として

それから、世界文学シリーズで刊行された中国の作家、残雪の「暗夜」をはじめとした短編作品群。これらは、まさに残雪の世界であって、世間と隔絶しているようでありながらも、世間の中に淡々と生きる人物の姿は違う意味での人の強さを感じさせられた。


暗夜/戦争の悲しみ (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 全24巻(第1集)) (世界文学全集 1-6)
発売元 : 河出書房新社
発売日 : 2008-08-09 (単行本)
売上ランク : 29808 位 (AMAZON.co.jp)
¥ 2,940 通常24時間以内に発送
評価平均 : /1人
不思議な寓話と厳しい愛の物語
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残念ながら

その他もいろいろと読んだけれども、安定して好きな作家の作品がすばらしくて、逆に新たな作家の発掘としてトライした作家がたいしたことなかったというのが現状で、残念ながら、その他これといった面白い新しい作家の発掘ができなかった。また、読みたい本が見つかっても、廃盤になっていることもあって、読むにはいたらず。2009年はだれか、若くて面白い作家を発見できることを期待したい。


積読

ちなみに莫言の「転生夢現」がしばらく積読状態であったけれども、ようやく読み始めた。これは、来年に持ち越し。


転生夢現〈上〉
発売元 : 中央公論新社
発売日 : 2008-02 (単行本)
売上ランク : 226265 位 (AMAZON.co.jp)
¥ 2,940 通常3〜5週間以内に発送
評価平均 : /2人
非常に面白い
凄いです
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関連リンク:
dLINKbRING.Labo.dicmulsearch.ガブリエル・ガルシア=マルケス
dLINKbRING.Labo.dicmulsearch.残雪
dLINKbRING.Labo.dicmulsearch.莫言
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