2009年の文学印象を自分のブログから振り返る



文学

振り返り続けます、2009年を。ということで、本日は、文学。
文学は、なかなか本当に同時代的にとらえることができなくて、たまたま私が今年読んだというだけというところもあるのだけれども、振り返ってみる。


安部公房全集

個人的には、2009年の文学的な最大の出来事は、安部公房全集の取り残されていた最後の一冊である補巻がついに発売になったというところ(記事:そして、ついに、正に、安部公房全集を完読する - Rogi073.Diary)。
これまでの全集も斬新な装丁で、安部公房らしさが出ていたのだけれども、これに加えて補巻は、CD-ROMがつくという、これまた安部公房らしいものだった。これで安部公房の作品は全て読み切ってしまったという残念さもあるのだけれども。


安部公房全集〈30〉1924.03‐1993.01
発売元 : 新潮社
発売日 : 2009-03 (単行本)
売上ランク : 219525 位 (AMAZON.co.jp)
¥ 8,400 在庫あり。
評価平均 : /2人
弱者への愛
刊行開始から12年・・・感涙の完結
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収容所群島

あと、これは個人的なことですが、2007年ぐらいから読み始めたソルジェニーツィン収容所群島(現在世に出回っているものは全六巻)をついに読み切ったというところ。実は、正確には、最後は正月休みで読み切ったので2010年に少し食い込んではいますが(記事:収容所群島第5巻は結構読みやすいほうです - Rogi073.Diary)。
こちらについては、詳細の感想は、また後日エントリーします。


収容所群島(6)
発売元 : ブッキング
発売日 : 2007-05-18 (単行本)
売上ランク : 426660 位 (AMAZON.co.jp)
¥ 3,500 在庫あり。
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今年のベスト

で、今年読んだベストはというと、莫言の転生夢現(記事:莫言の”転生夢現”は”百年の孤独”に匹敵する一族物語 - Rogi073.Diary)。まぁ、これも訳書自体は、2008年に出ているので、あくまで去年私が読んだという区切りではあります。
元々、この作家の作品は好きだったのだけれども、豊乳肥臀以降は、もう一つ突き出たというレベルまで行かない次点的作品続きという印象だったけれども、この作品は非常にすばらしかった。ガルシア・マルケス百年の孤独をも想起させるけれども、それとはまた違う味のあるすばらしい作品でした。


転生夢現〈上〉
発売元 : 中央公論新社
発売日 : 2008-02 (単行本)
売上ランク : 172257 位 (AMAZON.co.jp)
¥ 2,940 在庫あり。
評価平均 : /2人
非常に面白い
凄いです
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というところで

というところで、昨年も、なかなかヘヴィーな作品をいろいろと読んだけれども、いよいよ今年は、トマス・ピンチョンの作品の再刊行が始まる予定になっているなど、楽しみも待っている。
一方で、そういった既に実力が認識されている作家ではなくて新しい人の作品も期待したい。2009年はニューカマーとして、ブノワ・デュトゥールトゥルの初訳「「幼女と煙草」(記事:「幼女と煙草」というちょっとした皮肉めいた物語 - Rogi073.Diary)が出るというちょっとした楽しみがあった。今年は、それ以上の大発見をしてみたいものと思っています。




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