アート戦略都市 EU・日本のクリエイティブシティ



1.お礼もこめながら
気づけば、もう一ヶ月以上前のこの記事によって、国際交流基金様より、この本「アート戦略都市 EU・日本のクリエイティブシティ」をいただいたのでした。実は、来てからすぐに読み終わってはいたのですが、「ART2.0・・・」シリーズの続編の中で言及しようと思いながらこちらの記事がなかなかまとまらないままに今に至ってしまったと。


2.ということで
ということで、というか、依然としてまとめる時間がないのでとりあえずこの本の内容紹介は先に終わらせなければというのがこの記事です。


3.内容
「アート」によって活力を取り戻した世界中のいくつかの都市についての紹介に対談を加えた構成。事例紹介的なまとめかたなので堅苦しい話もなくすらすらと読める。きっと、これ以上に「アート」を軸に何らかのことを使用としながら失敗した都市もあるのだと思う。ただ、ここで紹介されている成功事例の特徴というのは、たぶん、単に美術館を作ったとかそういうことではなくて、まず、作るもの自体もとても個性的でそこにしかないようなものを作っていると言うことと、あとは、市民参加という要素も強いということだと思う。特に後者は重要で、つまり、対外的な成功がたとえなかったとしてもそこに住んでいる人にとって良い行為となることであれば、それだけでも成功といえるのだろうから。


4.その場所
例えば、過去は工業都市として栄えながらその工業の衰退とともに町自体が衰退したという事例に対して、「アート」がその工業の持つ要素を利用しながら再構成して提示、そのことが成功に繋がったという事例が紹介されているが、これなどはとても参考になる事例で、そこに在るアイデンティティをしっかりと継承するということ、上から何かを投入してそれでうまくいくはずだということではないところが重要なのだと思う。その他にも、対話や実践などを通して町に浸透させていくというスタイルが根底で共通しているように感じた。


5.そして
市民参加やさらには廃墟的建物を安くアーティストに提供するというような話の展開から、「ART2.0・・・」へ展開できるという確信がますます募ってくるところ。とにかく、とっても興味深いいくつかの活動で、とても参考になる本でした。


関連リンク:
国際交流基金ブログ
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アート戦略都市 EU・日本のクリエイティブシティ
発売元 : 鹿島出版会
発売日 : 2006-05-18 (単行本)
売上ランク : 70380 位 (AMAZON.co.jp)
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