カルティエ現代美術財団コレクション展

そんなわけで、妙なことで話題になってしまった”カルティエ現代美術財団コレクション展”を見に、
東京都現代美術館に行ってきた。

正直言って、かなり楽しめる内容で、大満足の展示。
このブログの中でも何度か言ってきたが、やはり特に、現代美術に関しては、
個展という展示方法より、今回のように種々の作家を集めた展示が楽しめる。
当然、中には好みに合わないものはあるが、しかし、当然、かなり気に入るものもあって、
結果として、そういうものもありなのかと思いながら、感覚を拡げることが出来る。

で、今回の展示の中でまず触れたいのは、"ウィリアム・ケントリッジ"。
こちらの記事では、原美術館での展示作品に対して、
この人の作品を捉えきれなかったという感想を書いたのだが、
今回の展示で始めて映像作品として見て、多くのものが繋がってというか、
繋がりながら分散しすぎて、一気に好きになった。
また他のところでは、こちらも映像であるが、"アルタヴァスト・ペレシャン"。
この映像の処理はすごいセンス。もっと強烈なひねりがあるとかなり好きになりそう。
そして、なんと言っても"デニス・オッペンハイム"。
長い机と、二人の話者。対立的であるようだが、どこかユーモラスでもある。
深刻さと笑い飛ばそうというところ、もしくは、その逆で無頓着さに潜む深刻さ。

そのほかも、かなり力の入ったものであり、かつ大型作品が多く、よくこれだけのもの
を持ち込むことが出来たものだと思う。そのぶん、監視員が神経質で、
少し近づきすぎるだけで注意を受けたり。
あとは、映像作品の多さ、これはここしばらくの傾向ではある。

そんなところで、これは、またまとめて現在随時アップ中の「Art2.0 というごまかしのタイトルで」の中で触れるつもりではあるのだが、これらの体感型作品や映像作品はじつにもったいないと思う。
映像作品は場合によっては、椅子が少なくもしくは無く、また途中から見ることになることが多いだとかで、多くの場合、作品鑑賞に適した状況で見ることが出来ない。
これらをうまく展示する方法ってないのだろうか?
今回の展示でも、映像作品の長さを考えると、ほぼ半日は楽しめそうなボリューム。
ではあるものの、見る環境が悪く、さっさと立ち去ってしまいたくなる場合もある。
実に勿体ないですよねこれ。
ということで、この件は今回は問題定義にとどめておいて、何か言いアイディアは無いかはいずれ考察してアップしたい。

なところで、実に内容の優れた展示で、カルティエの気合いもかなり感じる。内容的には、美術が多少は好きという程度のファンでも十分に楽しめると思う。

関連リンク:
東京都現代美術館
Art2.0 というごまかしのタイトルで(その2)
Art2.0 というごまかしのタイトルで(その1)
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