伝説の Pink Floyd ”The Wall" の Roger Waters による再演ライブ



Roger Waters

伝説のバンドで、先日 David Gilmour を中心とするメンバーにより、最終作品といわれた作品がリリースれた Pink Floyd ですが、もう一人の Pink Floyd、Roger Waters もまた、活動を続けており、その Roger により演奏された Pink Floyd の代表作の一つ The Wall のライブ映像が、そのライブを中心として、ストーリーを語る映像を加えた映画作品として、リリースされたので、鑑賞しました。Roger Waters The Wall。


もともと

もともとの この the Wall は、2枚組のコンセプトアルバムとしてリリースされて、当時は、Roger が中心となって作成したこともあり、結果、バンドの分解へとつながる作品でもあった。当時から、ライブで、壁を徐々に作り上げていき、最後は、バンドとオーディエンスの間を完全に隔てる壁が形成されるという画期的で伝説的なライブを行っていたという。
残念ながら、当時の映像は残っていないのか、私は見たことはない。


再解釈

そんな当時の様子を最新のテクノロジーと、Roger による再解釈を加えて2010年から2013年にわたって行われたライブが、Roger Waters The Wall。来日公演が期待されたが、おそらくその大がかりすぎるセットが故なのか、来日公演は行われなかった。


壮大

見た目的には、ずいぶんと年老いた感じのする Roger だが、セットとバックの力もあって、かなり壮大なライブとなっている。
映像を駆使して、徐々に構築される壁もうまく活用して、そこにも映像を投影しながら、より意味を深めた The Wall コンセプトが展開されていく。

映画
また、映像作品のほうは、そのライブに加えて、途中に映像が加わり、戦争を絡めた喪失を美しい映像で描き加えており、そこでは、俳優 Roger Waters を楽しむこともできる。


反逆

この作品を味わうと、私自身も若い時分に、感じた、The Wall のパワーを再度感じる。我々には、それぞれに個人の深い思いや感情がある。それは、生まれた時からの個性なのか、生まれ育った環境が培った個性なのかはわからないが、しかし、それぞれには、それぞれの意思があって、十把一絡げには、扱いきれるものではない。
そういった、壁をしかし、我々は、時に忘れ、そして、時にその壁の側に立ってしまう。我々のその反逆の精神というのは、それは、ただ否定ではなく、大いなる構築であるというのに。


力強さ

そんな、価値観の根本にまで訴えかけてくるのが、The Wall であり、その精神が、この映像でもなお、むしろより強く、描き出されていて、そこには、音楽や芸術でしか描けない、我々の表面的な何かの恥ずかしさを感じさせるものがある。特に、壁に描き出される強烈なコメントは、えぐるものがある。


Comfortably Numb

そして、永遠の名作 Comfortably Numb。完全に壁が構築されて、その前面に立つ Roger Waters と壁の上に立つギタリスト。そして、なんと、ボーナスディスクには、ゲストで登場した David Gilmour の姿も収められている。
この名作が、また、心を締め付けるように切々と演奏される。手を伸ばしt歓声を上げるオーディエンスのその感情が完全に同期して感じることができる。やはり、この曲は、ロック史上に残る名作である。


我々であること

この作品は、なんというのだろう。我々が我々であること、我々でなければならないことを再認識させてくれる。大きな潮流が、そこにはあって、そして、その潮流の一員であることが、それが、我々であることは、それもまた間違いはないだろう。しかし、それだけが、この社会を作り上げて、そして、この社会をよくするわけではない。結局我々は、個人であって、集団ではない。そして、それは、一方で、我々の側にもある壁の破壊の必要性も意味してもいるのだろう。この The Wall の壁は、時に、自身を囲う壁としても描かれていて、その意味も潜まれている。


壁の崩壊

壁構築後も、壁の全面で、かつて、The Wall リリース当時に作成された映画版の The Wall のアニメーションを壁に移しこみながらの演奏が続く。このあたりは、そう、先述の通り、むしろ、自己の内面に閉じこもる様子が描き出される。内なる壁が、外なる壁と同時に描かれる。
壁が、崩壊する。映画の中で、Roger は目的地にたどり着く。崩壊した壁の前で、バンドメンバーが揃い、エンディングテーマを歌い上げて、拍手喝さいの中、ライブは終焉を迎え、豚の風船は墜落する。


傑作

はっきり言って、傑作です。ロックライブ・映画の中でも、ここまでの壮大でかつメッセージの強い作品はないと思います。
2015年を代表する音楽映像作品であること間違いなし。


関連リンク:
Roger Waters The Wall - The Super Deluxe Edition
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