苦悩の果てにたどり着いた世界 Pink Floyd Endless River



The Endless River

プログレ界のみならず、ロックの歴史を語るうえで欠かすことのできないバンド Pink Floyd。当初は伝説的な存在である天才 Syd Barett の脱退により、音楽の方向性を変えながらも、他にはない圧倒的な世界を作り上げて、ロック氏に名を刻んだ。


徐々に

その後、さらに中心的な存在であった Roger Waters の脱退を経て、David Gilmour 主導のトリオ編成となりアルバムを残しつつ、時々ライブを行うという活動へとシフト。しかし、さらに、Rick Wright の死去に伴い、Pink Floyd の名のもとに残されたメンバーは二人のみとなり、事実上もう活動はされないと思っていた。


最後の

しかし、Rick Wright 存命時に作られたアルバム「対」の時に残された音源をもとに、Pink Floyd 最後の作品がリリースされたのは、全世界に驚きとともに歓迎で迎えられたといっていいだろう。アルバムタイトルは、「対」収録の名作「High Hopes」からとったであろう「The Endless River」。


たどり着いた世界

Syd 期には、サイケ感の強いポップなサウンドを展開。その後、原子心母において、もやを背景にしたような独特の音楽空間を生み出したかと思うと、反転社会に対する反発をむき出しにするようなウォールをリリース。その後、David期に入ると、穏やかながらもうれいや影を含んだ方向性へと変化し、対をリリース。
いずれも、背景には苦悩やいらだち、何かを突破したいというような渇望とそして、絶望が入り乱れたような感情に満ちた世界をさまざまな形で描き出してきたのが Pink Floyd であり、であるがゆえに、多くのファンが存在するといってもいいのだろう。
しかし、この最後の作品は、そういった、なんというのか強い感情からは完全に解き放たれたかのような、どこか、解脱や悟りの世界とでもいっていいかのような静謐でアンビエントな世界が広がる。


雲の上

それは、アルバムジャケットが端的に表現しているところでもあるのかもしれない。まるで雲の上にたどり着いたかのような。それは、時に爽快感を感じさせもするし、時に、何も言葉を発せないほどに感情を押しつぶしきったかのようでもある。


トリオ

ロック界には、さまざまなトリオ構成があって、さまざまなスタイルのサウンドを生み出している。しかし、この David, Rick Nick の作り出したトリオサウンドは他に類を見ない独自性があるとも感じる。David の独特な芸術的ギターを浮遊感のある Rick のキーボードがさらに彩を加え、その基礎を Nick が固める。
テクニックでは生み出すことのできないこの世界観は、まさに Pink Floyd が見つけ出した世界ともいえるのだろう。


絶品

おそらく、そのアンビエントサウンドに、戸惑うだろう。しかし、そこには、やはりさまざまなサウンドスタイルが混ざりこんでいて、聴けば聴くほどのさまざまな感情がその中に見えてくる気がする。
Pink Floyd の最後の作品は、そして、長い期間をかけてじっくりと味わうべき作品となっているともいえそうだ。


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