ウズベキスタンのバカテクプログレバンド From.uz のライブDVD

From,uz

ウズベキスタンの凄腕バンド、From.uz。比較的コンスタントにアルバムをリリースをするとともに、その凄腕ぶりのアピールなのだろうか、結構頻繁に映像作品もリリースしている彼らが、2011年の新作ライブDVDとして、Quartus Artifactus という作品を発表した。なお、同音源二枚組CDもバンドルされている。

やっぱりすごい

バンドメンバーは、5人構成で、ギター、キーボード、ドラム、ベースが各一人で、あと、キーボード・ギター・フルートなどとマルチな演奏をするメンバーが一人いての5人組。ギタリストが、中心人物で、基本はインスト何のだけれども、途中、このギタリストが歌うボーカル入りの曲もあり。ギターもすごいのだけれども、歌も悪くない。
で、演奏なのだけれども、やっぱりすごいというしかない。とても複雑な拍子回しの楽曲でも、ぴたりとすべての音が決まり続ける。この演奏力はすごすぎる。そして、各楽曲の持つ雰囲気が、これは、ウズベキスタンらしい音なのか、彼らのスタイルが産み出すのかわからないが、ちょっと他の国のバンドにはない、メロディーラインで、この辺も、他のバカテク系バンドとは異なる趣を感じさせてくれていい。

ドラム

どのメンバーもすごい演奏なのだけれども、目につくのは、まずはドラム。複雑な変拍子をしっかりとたたくのはもちろんのこと、時々素手での演奏も含むスタイルで、魅せる。

誰もが

まぁ、ドラムだけではなく、その誰もがうますぎるので、もう、何も言うことはないというようなレベルです。一糸乱れぬって感じなのに、若干の余裕すら感じさせる演奏なので、聴いている（観ている）側も、緊張感を感じさせられながらも、どこかリラックスして、その細かいフレーズを聴き込むことが出来る。そして、高速で複雑なパートから、スローテンポなパートへの変化なども、難なくこなして、リズムの狂いは一切無く、移行していくあたりも、心地よく聴ける要素である。

Parallels

特にその演奏のすごさを感じるのは、Parallels。超細かいフレーズが積み重なる変拍子バキバキの楽曲を、見事にユニゾンしてしまうその演奏力にはもう唖然とするしかない。そして、そこから、味わいのあるスローな展開へともっていきながら、味わいを魅せるかと思えば、後半になるとアップテンポで楽しげな楽曲で盛り上げていく。そして、突然そのアップテンポな展開が急停止して、冒頭の超細かいフレーズを積み重ねる変拍子バキバキサウンドへともどって、緊張感を高めていくという。そこから、さらにゆったりとした雰囲気を作り上げるとボーカルパートへと入りゆったりとした不思議な空気感の世界を生み出していく。その後、またどんよりとした世界をへながら、少しずつ緊張感を増していき、また複雑化した世界へ入り込んでいって終了する。
いや、これ、長い楽曲だけれども、展開が多岐でとても面白い楽曲です。