ハンガリーのシンフォニックロックバンド Fugato の新作

Fugato Orchestra

Fugato Orchestra は、ハンガリーのロックバンド。After Crying の近しいイメージのバンドで、シンフォニックの要素とジャズの要素を大いに取り入れたロックバンド。バンド名に Orchestra と入れているだけのことはあって、超大所帯バンドで、まさにミニオーケストラといっていい。というか、実際のところ、どこまでがバンドメンバーでどこからがゲストでなのかもよくわからないのだけれども。
で、今回紹介するのは、そのバンドの二枚目のアルバムで、2010年にリリースされていた、NOE （英語で言うと Noah）という作品。

久しぶり

After Crying がずいぶんと前にほぼ活動休止状態になって以降、クラシック色の強いロックバンドの中では最も期待したいバンドだった、Fugato だけれども、このバンドもデビューアルバム以降は、しばらく活動していたのかどうか不明の状態になっていた（ただ、いろいろ調べてみると Fugato はライブ活動は結構やっているみたい）。そして、この作品が久しぶりのアルバムになる。結構忘れた頃にやってきたという感じ。

クラシカル

で、そのアルバムの内容だけれども、やはり、濃すぎるクラシック色は健在。とにかく、クラシックの色合いの強いロックバンドというと、最近ではかなり少ないのでその意味では、非常に貴重なサウンドを出すバンドと言っていい。トランペット系の管楽器やバイオリンなどの弦楽器を多く取り入れて、ギター、ベース、ドラム、キーボードなどのロックバンドの構成と合体している。
演奏や楽曲の方も良くて、落ち着いて聴き込むことの出来るサウンド。間に女性ボーカルの曲が入るなど見せ場も多くあって、チェンバーロック的なストイックなサウンドではなくて、ウェットな優しさに満ちたサウンド。だけれども、演奏の方はしっかりとしているので、適度な緊張感も併せ持つ。まさに聴き応えのあるサウンド。