「ペルシャ猫を誰も知らない」というイランの音楽映画がすばらしい



イラン

ペルシャ猫を誰も知らない」というイランのバフマン・ゴバディ監督による映画を渋谷はユーロスペースで見てきた。
イランは、宗教革命以降、宗教統制が厳しい国であるのだけれども、そのイランでは、音楽などの文化的も統制されていて、西洋色の強いものは規制されているらしい。音楽もそうで、CDのリリースやコンサートの実施には、許可が必要だという。そして、ロックやメタル、ラップなどなどの西洋色の強い音楽は当然の如く規制されている状況。そんな状況下で音楽活動を続ける若者の姿を描いた作品が、この「ペルシャ猫を誰も知らない」という映画。





ロック

ロック活動を行う二人の男女。彼らの目的はより自由な音楽を行うこと。そのために、彼らはロンドンへいくことを目指す。そのために、仲介者を通じて、多くのミュージシャンとコンタクトをとりながら、メンバーを集めはじめる。その同定での多くのミュージシャンとの交流を描くと同時に、多種多様な音楽活動がイランには、アンダーグラウンドではあるのだけれども、存在するということも同時に紹介している。


様々な

そう、様々なタイプのミュージシャンが登場する。ヘヴィーメタルから、ロック、民族色の強いジャズロック民族音楽、ラップ。それらは、イランの独自文化と混ざり合って、独特の音楽に仕上がっていて興味深い。ただし、彼らの活動は困難であり、音漏れを極力抑えた空間を作り出して、そこで練習したりもしている。ただし、近隣住民に通報されて、逮捕されることもまたしばしばあるという。
まさに、アンダーグラウンドな音楽活動。


同じ

しかし、一方で、この現代で情報を完全に統制することは困難なようで、彼らは多くの西洋音楽の情報を知っている。音楽仲間でのトークに、Bill Bruford や、Sigur Ros の名前が出てくるあたりで、音楽に国境はないことを知らしめさせられる。


私が感じたのは

そんな私は、過去、イランに少しだけ滞在していた事があるのだけれども、そのときの印象としては、それほど統制は厳しくないのではというところだった。メタルバンドTシャツを着たひとを見かけたし、カーステレオからは、普通に西洋音楽が流れていた。宗教的な儀式には厳しいけれども、文化的にはそれほどでも無いのではと思っていたのだけれども。
しかし、この映画からすると、そうではないらしい。表面的には分からないものなのか、それとも、当時とはまた時代が変わっているのか。


かつては

かつては、東欧諸国が社会主義体制だったときも、そこにも、また、ロックバンドが存在していた、同じように、アンダーグラウンドで。ロックは世界を変えると、昔は、青臭く思っていたけれども、ロックが正に世界を変えることはないのだろうけれども、ロックは自由の象徴であるという側面は確かにあるのだろう。


すばらしい

そして、やがて、この映画はエンディングを迎える。小さな希望なのか、大きな夢なのか。その儚さと強さ。
というところで、映画好きで、音楽好きで、イランに興味を持つ私個人としては、非常にいい映画でした。どんなところにも音楽があると言うことのすばらしさと、しかし、一方で未だにそんな自由も無い国があると言うこと。その現実を苦々しく感じながら、一方で、この映画を映画としてそのストーリー展開の面白さを感じながら、ロックはいいものだとひしひしと感じてみる次第でした。音楽好きには特にお薦めな映画です。
ちなみに、AMAZONで調べてみたら、サントラが売っていたので、早速購入してみようかと考えています。


関連リンク:
映画『ペルシャ猫を誰も知らない』公式サイト
ユーロスペース|EUROSPACE
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No One Knows About Persian Cats
発売元 : Milan Records
発売日 : 2010-04-13 (1CD)
売上ランク : 13564 位 (AMAZON.co.jp)
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